2004/9/21
9月5日付の日記「iPodの修辞学−1」でも言及していたCCCD(コピー・コントロール・CD)が、導入後2年でなくなりそうな気配である。
http://www.watch.impress.co.jp/av/docs/20040917/avex.htm
http://www.mainichi-msn.co.jp/it/solution/news/20040917org00m300103000c.html
「著作権侵害行為に対する啓発活動が一定の成果を収めた」ということだそうだが、それは表向きの見解であって、やはり大きな要因は「HDDミュージックプレーヤーなど新しい音楽の楽しみ方の広がり」の方だろう。東芝など、CCCD化を推進しながら、片方でGigabestを売り出しているというのも奇妙な話である。iPodを購入するときにGigabestも対抗馬として考えていたのだが、このCCCDの件とMDプレイヤーに固執した旧弊なデザイン、添付ソフトの評判の3点がマイナスでアップルに決まりとなったのだった。
とにかくCCCDなんていう不便で訳のわからない商品は買い控えておこうと考えていた身にとっては朗報である。現に、先日もある新しいグループのデビュー盤を買おうとして店頭で確認したところCCCDだということで後ろ髪を引かれる思いで背を向けて店を出てきたところである。レコード会社には是非、この間CCCDでリリースされた新譜を通常フォーマットで再リリースしていただきたい。
いったい、CDをCCCDにすることで、どれほどアーティストへの利益の還元効果があったのだろうか。日本のCDはとくに高価で、それがCDの売り上げに影響するとともに違法コピーを助長していることは確かだろうが、そもそも流通サイドに問題はないのか。音楽が制作されて我々のところに到着するまでに必要以上の余計な経費がかかっていないだろうか。エンドユーザーである我々がもっとアーティストにダイレクトに繋がることで、彼らの制作を支援することができないものだろうか。いっそのこと、音楽作品も新鮮な農産物のように直販やネット販売によってアーティストから直接購入できないものか。音楽業界のことはよくわからないのだけれど、CCCDなんてものを考えるにつけ隔靴掻痒な感じの悪さとレコード会社への不振が否めないのである。

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