2005/1/7
ということで、
年末年始は慌しく過ぎ去ったのでした。
毎年そうなのだけど、正月休みというのはゆっくりできない。
クリスマスには自分への贈り物として、年越しに読む本を数冊買い込むのだけど
いつもそれを半分さえ読み終えたためしがないのです。
掃除と年賀状がようやく終わったと思うとすでに大晦日で、
おまけに大雪の大晦日は、知り合いのところの手伝いで帰りが遅くなり、
最終電車にも間に合わず、年始ダイヤの臨時電車に乗ったところで、
いつの間にか新しい年を迎えていたのでした。
紅白歌合戦もなく、ゆく年くる年も無く、除夜の鐘もなく、
電車のなかで乗務員の新年あけましておめでとうございますのアナウンスを聞くという、
これまでの人生の中で一番味気ない年越し。
家にたどり着いて一人、「緑のたぬき」でその味気なさに追い討ちをかけた次第。
明けてお正月は初詣へ。快晴の日和。
雪解けの町はすごく明るく透明な眩しさに満ちていました。
冬なのに今年は陽射しが強いような気がします。
神社の屋根に残った雪が解けて軒下にぽたぽたと落ちる水滴が光をうけて輝きます。
境内を流れるせせらぎの水面にも光が反射してキラキラしていました。
帰りに川べりの道を歩きながらゆりかもめにパン屑を投げていたら、
たくさんの鳥が集まってきて、岸沿いに集団で旋回しては、
投げ上げるパンのかけらを見事にダイレクトキャッチしていくのでした。
ゆりかもめの旋回は、川の左岸では時計回りなのですが、
右岸ではなぜかその逆なのでした。流れの軸に対して対称なのです。
いつのまにか日は西の方に傾き、ニレの大木のシルエットを黒く浮かび上がらせながら、
川面を眩しく乱反射させていました。


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2005/1/1
あけましておめでとうございます。
今年もよろしくおねがいいたします。
昨夏ごろからはじめたこの場所も無事に年を越すことができました。
この場所に訪れていただいているあなたには、ありがとう、と感謝します。
そして、この場所のきっかけをくださった「あなた」にも感謝します。
この場所で、
わたしは、一個の無名の書き手として、
見えない読み手に向けてテクストを発信するという、そんな無為な行為を
今年も楽しんでいきたいと思います。
純粋な戯れの空間として、ささやかな余白の時間として、
この場所を営んでいきたいと思います。
そして、この場所が、
こころの一隅に置きざりにされていた記憶や言葉が
再びささやかな生命を取り戻すような、
読む人の内にもその生命の息遣いが
多少は感じられるような、
そんな場所となりますように。
あなたと新たな言葉を共に分かち持つことができるような、
そんな場所となりますように。

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