2005/12/24
この冬一番の寒波ということで、めずらしく都心でも雪が降り積もるなど、寒い日が続きます。今は東のほうに早足で流れ去る厚い雲間から時折陽が射しもしますが、外は大変寒そうです。風邪は長引いていまだ鼻も頭もすっきりとしません。何をするにも集中力に事欠くようで、ただぼんやりととりとめもなく意識に去来するものをすぐにまたやり過ごしてしまうという一日です。
堀江敏幸の『河岸忘日抄』を読み終え、ついでに手頃なところで白水uブックスの『郊外へ』を読みました。どちらも微妙な味わいのある一編でした。その味わいはもちろん、「彼」が書いている場所の微妙さ加減と関係なしではありません。
パリのどこかの運河の河岸に係留された船やパリ縁辺の郊外の街の一角に居を構えている書き手の特殊な立ち位置、そこはいろいろな意味で縁や境である場所です。そのような場所で彼は日々のつれづれを書き連ねます。本を読み、料理し、過去のことを思い出し、黄色い猫に思いを馳せ、時には映画を見て、様々な人物と会話もしますが、とりたてて物語が展開することはありません。そこに書かれるのは「眠っているも同然の日々」であり、ゆえに「スリーパー」について語られることにもなります。

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2005/12/7
忙しくて自分の中がいっぱいいっぱいになってきて、夢を見る余裕もない日々の連なり。朝、眼が醒めて起き出したとしても、それは昨日の覚醒時の続きでしかなくて、自分が確かに眠ったということも実感できない、まさに、夢さえも覚えていないような眠り、夢の中でも現実とやりあっているようなそんな浅い眠りの続くこの頃でした。それが、ひとときおさまったかなと思えば、今度は奇妙な夢ばかり見る日々です。
そんなある日のこと、昼下がりに読んだWEB上の日記が、なぜか悲しくて、いやそれほど悲しいわけでもなかったのに、不思議に涙が次から次へと流れてきて、どうしたことなんだろう一体、仕事中だというのに困ったことだなと、いうようなことがありました。

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