2009/11/7
11月4日、サンケイホールブリーゼにおいて大貫妙子コンサート“Pure Acoustic 2009”。
このコンサートのことは数日前の新聞広告で知ったばかりで、是非とも見に行きたいと思ったのは客演に金子飛鳥率いるASKAストリングスの名前があったから。また、フェビアン・レザ・パネのピアノ、小倉博和のギター、吉野弘志のベースとバンドメンバーも強力。大貫妙子に関してはもうかれこれ10年前になるだろうか、矢野顕子や鈴木慶一、奥田民生の『Beautiful Songs』以来のライヴとなる。
本日のホール、1年ほど前にサンケイホールが建替えられて新しく出来上がったおしゃれな商業ビルの7階にある。クラシック主体のホールとしてつくられたようで、Pure Acousticにふさわしいホール。アプローチやホワイエが白基調の空間に対してホールは黒と対比的なイメージ。音も良かった。
ライヴの第一印象としては、なんてしんと静まり返ったライヴなんだと思った。今まで体験したなかで一番静かなライヴ、咳はおろか、唾を呑むのもはばかられるような雰囲気で、曲が終わっての拍手もさっとはじまりさっと引くといった感じ。大貫さんも、「皆さん静かですね、客席は暗くてよく見えないのですが、緊張感というかプレッシャーがひしひしとこちらに伝わってきます。」というほどだった。
大貫妙子のアルバムは80年代の『cliché』や『signifie』などアルバム数枚と『Pure Acoustic』しか持っていないので、コンサートのなかでも、「夏に恋する女たち」から「彼と彼女のソネット」「黒のクレール」の流れや「突然の贈り物」「風の道」といった初期の頃の曲が一番心に沁みる。
Askaストリングスは4曲目くらいからの登場で、やはり金子飛鳥のヴァイオリンは音色が力強く良く響く。演奏のない場面でも体でリズムをとりながらスイングし、音楽をほんとうに楽しんでいるという印象。彼女のヴァイオリン・ソロを期待していたのだけれど、さすがに無かった。
年末恒例だというこの“Pure Acoustic”、実は今回が最後ということをステージでの大貫さんのインフォで初めて知る。東京のライヴではビデオ撮りが行われたとのこと。このところはAskaストリングスがサポート・メンバーだったそうで、今年から金子飛鳥がアメリカのセントルイスに移住することになったことがこれに一区切りつける動機になったよう。いやはや、金子飛鳥つながりで最後のコンサートを聴くことができてよかった。そういえば、今回のサポート・メンバーのフェビアン・レザ・パネも吉野弘志も金子飛鳥の2002年のアルバム『Mother』の参加メンバーだった。

会場で帰りに『Pure Acoustic』(1996)の続編にあたる『Boucles d’oreilles』を購入。大貫妙子は12月には坂本龍一のコンサートのサポートで再び来阪するそうで、12月はこれも毎年恒例の矢野顕子のさとがえるコンサートもあるので、同窓会みたいな感じ。
今回のセットリストは以下のとおり(2ch情報)
1.Monochrome & Colours
2.若き日の望楼
3.Hiver
4.Snow
5.新しいシャツ
6.あなたを思うと
7.遥かなる旅路(パネさんのソロ曲)
8.夏に恋する女たち
9.彼と彼女のソネット
10.黒のクレール
11.空へ
12.TANGO
13.四季
14.春の手紙
15.横顔
16.風の道
17.Time To Go
18.Cavaliere Servente
19.ベジタブル
- encore
20.突然の贈りもの
21.懐かしい未来

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