
カヌーに乗らない人、釣りもしないし海には縁がないという人も鳴門海峡といえばほとんどの人がしっている。あの渦潮で有名な関西、いや全国屈指の潮流地点だ。毎年いきたいとおもってるけどなかなか行く機会がない。そこで今年こそと2月に行く計画をたてた。
しかしまず実際に漕いでみないと出艇場所をはじめわからない事が多い。そこで下見にいってみようということになった。今回の相棒はいつもののんびりパドラーさんとノア500
このコンビで紀淡海峡、和歌浦湾縦断など数々の実績がある。そしてもう一人聞きつけて無理やり休みをとってきたデンジャラスおやじ、私とは明石海峡をいった時の相棒。艇はシーショア500。ファルトなので融通もきくし安心して下見ができる・・・はず。
前日は3人で一緒にお泊り。朝からみんなで牛丼食べてさあ淡路島へ。

(スタート場所の吹上浜にて。まさか海峡をこえるとは思っていない)
淡路島を高速道路で縦断していよいよ鳴門大橋にやってきた。やはり鳴門海峡というだけで威圧感がある。まあとりあえず下見なので比較的穏やかな心境。福良港を南下して吹上浜にやってきた。キャンプ場は冬季閉園だったので近くの浜に移動。やっぱり下見にきてよかった!
冬の海岸はだあれもいない。着替えて艇を組み立てていざ出発(10:40)なぜかこのとき口ずさむ冒険者たちのバラード(注;ガンバの冒険のエンディング)
この日はなんと新月の大潮、潮目は9:48に満潮で12:46が南流の8.6ノット。カヌーではちょっと出せないスピード。しかも出艇時は結構船舶が通っている。まあいけるとこまでいきましょうと北西に向けて漕いでいく。
ここは海というよりでっかい川。頭の中でエディーラインを考えながら、波(流れ)が横からきてるか後からかでコースを修正。流れに逆らって漕いでると全然すすまない。

(ほとんど渡ってガッツポーズをとるおやじ&シーショア)
もうこの辺でなんとなく解ったので南下して沼島(淡路島の南の小さな島)に向かおうと思う私たちノア組に、もうちょっと真ん中までいかないと下見にならへんよと主張するおやじ。
そこでしばらく漕いでそろそろとおもってもまだ奥までいこうというおやじ。
私「おやじさん、はっきり聞くけどいきたい?」 おやじ「いきた〜い」とまるで駄々っ子のよう。 私はのんびりパドラーさんに「いいですか?」のんびりパドラーさん力強く「いきましょう!」(本人いわく逆らっても無駄だと思ったそうです。しかし鳴門をいくのんびりパドラーかぁ)
そうとなったら潮が速くなるまえにいこうじゃないですか。確かにめったにないコンディション。気圧は1030hpaと安定して視界もよく風もない。それに大潮の満潮のおかげで流れは速いものの潮位が高くほとんど波がたっていない。
少し気がとがめたか「行ける時行かないと次いけるかわからんし・・」とおやじの声。まっそれはそうだ。でもどうせ往復いきたがるからこちらも一言。「往復じゃなくて片道のつもりでいいですか。まあずっとベタで結果として往復ならかまわないけど」
ここはおやじも納得。目標は小鳴門海峡の入り口、紀貫之の石碑があるところ。

(浜の近くは浅いので渦や波がたっている)
いざ行くことになるとおやじはルンルン。こちらもテンションあがって行く気満々。少し小さな貨物や漁船はくるものの至極順調。しかし潮位でこれだけ違うものか。速い流れもこちとら元々川出身。それもショートボートではなく4.5mのワイルドウォーターで延々下って上ってやってたのが役にたつ。
まあ海峡は距離としてはたいしたことはない。11時20分には海峡の中央部を越え鳴門は目の前。岸の近くはときおりボイルや渦が沸いてやはり鳴門って思い起こされる。
この辺でみんな記念撮影。やっぱり記録のこしたいし〜。

(小鳴門海峡を通る。海といっても川のような流れ)
そして遂に小鳴門海峡の入り口へ。物凄く水がきれい。さすが潮流のきついとこは違う。ふと振り向くとそろそろ風が出だして後は一面の白兎。ああやばかった。もう少し遅かったらいけたかどうか。
小鳴門海峡はまるで川の雰囲気。潮流が逆なのでずっと漕ぎあがりになる。うまく地形をみてエディーを使いながら漕いで上がる。普段高速の上から見る風景が目の前に広がるのは楽しいものだ。まあ流れはあるものの風もなく穏やかな水面を漕ぎ進む。
昼食後相談の上鳴門北ICを目指すことに。しかしまわりが山にかこまれて方向がわからない。地図とGPSなかったらとてもいけない所。ちょっと瀬戸内海を思い出した。ゴールは1:40 18.5km 平均4.9km/h まあ今回はかなり眺めていたしね。

(撤収には時間をかけて。畳んでから水がでないよう注意)
さあ撤収。ファルトの撤収のコツは水をださないこと。バックにいれてからどんどん水がでてくるのは駄目。主に水がでるのはエアスポンソンのところとフレームパイプの中。ここは早い目に水を抜いて船体布をふかなくては。
撤収が終わってタクシーを呼ぶ。まさか徳島にくるとおもってなかったので携帯には淡路タクシーの番号しかいれてない。でも気持ちよく迎えにきてくれた。トランクに1艇、後部座席の後二人の膝の上に1艇。なんだかんだいって畳めるのは便利です。

(タクシーの中から。感慨無量)
なんか今回あっという間に渡ったので実感がわくのが遅い。帰りのタクシーの中で鳴門大橋をみながらジワジワ感慨がこみ上げてくる。橋の上からはかなりの貨物船がみえる。まあよくいけたものだ。タクシーの運転手さん曰く、今日はのんとに凪いでた。こんなベタ凪は珍しい。うーん、ホントにラッキー!
さあ次の2月はちょっと違う行き方してみよっと。でもいい天気になってくれるかな?なにわともあれこれで紀淡海峡、明石海峡、鳴門海峡の淡路島3海峡制覇!
ヤッタネ!

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