(行っといてなんですが危ないので真似しないでください)

(海遊館、何度陸から海を眺めただろう!)
川というよりもうほとんど海の景色に圧倒されながら進む我々。スタート時には穏やかな晴天もなぜか一転かき曇り雪が降りつけてくる。どんよりした空にますまず休む気になれずただパドルを動かしていく。
そして海遊館、思えば大阪湾を漕ごうと思い、海遊館のサンタマリアにのって寒いのに(H15/1でした)我慢して下見したのはもう5年前。遂に、遂にいまその前にたどり着く。

そのサンタマリアが前からやってくる。やはり感慨無量。ここを越えるといよいよ天保山水路、左側には港大橋が見える。その先が尻無川、木津川の河口にあたる。
右手の埠頭をダッシュで漕ぎぬける頃にはかなりの向かい風。波はかなり高くなりもう艇の中に10cm以上水がたまっている。

当然上陸するところはなく、そんな気にもならない。とにかく一刻も早くこの水域を通り抜けたい!もう今は腰より足の痛みが耐え難くなってきている。そしていよいよ埠頭を
越え舞洲の方へ。一瞬方向がわからなくなる。しかし舞洲の金色の冠が見える。風は横風に変わり岸壁からの返し波とで一面がきつい三角波。もっとまん中を通りたいのだが船舶がきたらと思うと怖いので端近くを離れられない。
普通に膝をはって波を乗り越えたいのだが水につかるとふくらはぎが耐え難い痛みが襲う。しかたなく立て膝で漕ぐのだが波に翻弄されうまくすすめない。時折膝を入れとにかく前へ!

(どんよりした曇り空がおも暗い雰囲気)
しかしどんなきつい波もいつかは終わる。ジリジリと前へ進み風裏の舞洲側の北側の岸壁にたどりつく。正直ほっと一息。やっと気持ちの余裕も戻りとにかくビルジポンプで水抜き、持ってるのだからもっと早く抜けばいいのだがとにかく気持ちに余裕がないのと波がきつくて止まれなかった。そしてお互いの艇を支え合って交互に腰をのばす。もう3時間弱、冷えた状態で足を曲げたままなのでしんどい。

(舞洲の岸壁で、相変わらずの曇り空)
まあここまできたら淀川はもうすぐ。此花大橋を越えまずは北港のヨットハーバー。普段は淀川河口に一面に広がっているヨットも天候が悪いのでか1隻もいない。しかしそんな日に手漕ぎのカヌーでいくとはバカとしかいいようがない。(反省)

(無人のヨットハーバー、帆柱が寂しく並ぶ)
ヨットハーバーを越えるといよいよ淀川、来た!ここまで来た!あの平和な中之島から吹き荒れる安治川河口を越えここまできたんだ。
まだこの時点で昼食をとってないので全員エネルギーがきれてきた。とにかく北岸が風裏なのでそちらに移動・・・といってもこの辺で対岸は1.5kmぐらいあるのだが。

(家の近くの伝法大橋をくぐりご機嫌です)
ちょうど干潮をすぎたところなのでここから上流には潮がおしてくれる。そして岸で遮られ波もない状態で風も追い風、漕がなくても軽く上流に流れているので楽チンだ。しかも空も晴れ陽が差し込んでくる。先ほどまでの事が嘘のよう。
瞬く間に伝法大橋へ。ここはK2妻の通勤路、これから何年たとうとこの伝法大橋を通るたびにここからの風景は心から消えないだろう。これが地元を漕ぐ楽しみの一つ。ある意味良く知っていてなかなか漕げない所ほど一端行くと心から消えない。

(青空に広がる淀川、対岸の此花区のマンションが見える)
そしてゴール、約20km・四時間半の戦いは終わった。まさに戦いという気分。私は上陸してカヌーを担ごうとして後ろに転倒、もう足が動かない。K2さんは滑って手を更に4カ所流血、最後に水を抜いたときカヌーから赤く染まった水がでてきたのは印象的。K2妻は目に飛沫を被弾、片方がかすんでいる上体力の限界。しかしやりとげた充実感でいっぱい。(でももうここは二度と行きません)天候も環境も変化の多い大阪の旅はひとまず終了、中之島ツアー途中で離脱してすいませんでした。でもミッション完了です!
※3日たちますがまだ階段をうまく下りれない。しかも右足の踵が凍傷で切れてました。冬場にカヌーに水をためて漕ぐのはやめましょう!

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