
先日の高見山越えでいよいよ伊勢湾まであと2日となった櫛田川、この熱い気持ちがあるうちに一気に行こうと伊勢道を通ってやってきた。今日はちゃんとGPSや地図も持って装備も万端、目標は飯南町と飯高町の境から伊勢道の多気トンネルの真下まで。

(このパドルの所から滑り降りてきた)
多気トンネルまでやってきてここに自転車を置く、そして上流目指して移動。まあここまでは順調だった。しかし県道の745号線に入り波留まできておろす場所がない。まえにここで上がった時はこの745号線が台風の影響で道路が通行止めになっていて茶畑の中を延々カヤック担いだ記憶がある。30分ほどあっちこっちいってついに腹をくくった。藪の中をカヌーを滑らそう、そしてそれにつかまって降りよう!もうそこから上がることは考えずなんとかして下に下りる。
まあなんやかんやでとにかく川原へ、時にもう12時11分 かなり時間的にやばい。さあ急ごう!

スタートしてすぐに瀬が続く。この櫛田川は岩盤の上を流れているような川なので巨大な岩が多い。まだ水がきれいで5mぐらいは底が見える。ただ雨が降っているので全体的に視界が悪い。

当たり前だが川の上には誰も見かけない。瀬、トロ場が交互にくる。雨の時に独特のもやがかかり景色は悪くない。まるでわびさびの世界、一枚の水墨画のようだ。
漕ぐ事1時間、166号線沿いの道の駅・茶倉が見えてきた。そしてそれと同時に重い水しぶきの音、ダムだ。まずここで一つ目のダム、もちろん担いでポーテージ。

このダムを越えるとまた瀬が続く。ただ浅く何度も岩に引っかかる。時々意外に大きな落ち込みなどあるが特にポーテージするようなところはない。

ある程度いったところで一旦休憩。パワーバーを齧りながらGPSと地図を確認、川の蛇行がきつく思ったより距離が長い。ちょっと計画が甘かったので修正、到着予想を16時にする。
再び漕ぎ出すと数人で網をしかけている。あれっもう川は禁猟じゃなかったっけ?と思いながら先を急ぐ。向こうもカヌーに怒鳴ったりせず静かに通してくれたのでやはり禁猟時期にコソっとやってたかもしれない。

(こんな感じの岩がゴロゴロしている)
やがて国道166号線から離れ大きく南へ曲がっているところで再びダム、すでに時間は15時20分。とにかく急いでポーテージ。
ここからは道路からはずれ山の中を通過。まあこの櫛田川は本当に蛇行が凄い。岩盤の上なので仕方がないといえば仕方がないのだが距離が読みにくい。
静かな川の上でただ雨がシトシトふりそぼる。でも漕いでいてなんかいい気分、いままで通ってきた紀ノ川や櫛田川を思い浮かべ黙々と漕いでいく。ふと先週高見峠の山頂近くでみた水がとっくにこの地点を通ったのかなあなど考える。

(伊勢道が見えてくる、ゴールだ)
時間は16時を過ぎやがて前方に伊勢道が見えてくる。ようやくゴールだ。さすがにほっする。16時27分ゴール、このゴールも堰堤になっている。でもまだここから車を取りにいかないと。休むまもなくこんどは自転車で走る。まるでカヌーアスロン(スイムの変わりにカヌーで漕ぐ競技、カヌー自転車ランです)だ。

(ゴールの多気トンネル下の堰堤)
走り出して愕然とする。ライトがつかない。先週のパンクはきっちり直っている。しかしオートライトの配線がちゃんと繋がってない。ちょっと直そうとやってみたけど雨の中思うようにいかない。意を決して走り出す。なんとか日が暮れる前につかなければ!
茶倉の道の駅を越えて国道166号線から離れ対岸に渡る。必死で走るもそろそろ日が落ちて見えなくなってくる。しかも県道の745号線は街灯がないのでほとんど見えない。 ヤバイ、道が見えない。しかも段々自信がなくなって迷ってるような気がする。かろうじて道路の真ん中を走るがガードレールもないので間違って川に落ちないようほとんど歩くぐらいのスピード。その時後ろから車のライト、軽トラックが走ってきた。もうこれを逃すといつ着くかわからない。懸命に軽の後ろを追走、しかし徐々に離されやがてみえなくなる。明順応を恐れ追走中つぶっていた目を開ける。再びほとんどみえない道路を走る。

(左がカヤック、右が自転車、かなり距離が違う。これが川の蛇行分)
無限に思えた時間も終わり遂に前方にマイカーが見える。嬉しかったですねえ。もう時間は18時前、そこから着替えてカヤックを取りにいって伊勢道乗ったのはもう19時、長い長い一日でした。

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