予想より順調に来たので食事はユックリ、狙い目は潮が止まる前のゆるくなっている時。いろいろカヌー談義をしながら1時間ほど過ぎてさあ出発だ。
住吉崎を出てすぐ友が島の地の島が目の前に迫ってくる。いつもはここから島にわたるけど今回は海岸線を行く。

(右から淡路島、友が島の沖の島、地の島そして沼島・・・)
友が島の横はいわゆる加太の瀬戸、遠くに六甲山や明石大橋、反対は徳島あたりまでが一望できる。ふとこの見える全ての範囲を漕いだなあと感慨にふける私、淡路島の沼島のそして友が島の思い出が頭をよぎる。

(加太のあたりはこういう斜め断層が多い)
一旦、友が島を通り越し国民宿舎の下までやってきた。そこからゴールはもうすぐ。あとは加太の海水浴場までいってカヌーを畳んだり置いたりで電車で戻るだけ。しかしまだ時間も早く漕いで帰れない距離ではない。この時点で13:15/10.2km 正直悩みました。昼からは風も強くなるし最後の旧関西電力跡はかなりの難所、ここで計画にない往路を取ったのが間違いの始まりだった。

(国民宿舎の下、階段で浜までおりれる。)
まで加太の瀬戸の入り口がかなり波がたっている。潮が止まると流速は遅くなるがその分三角波が立つ。特に今回は干潮だし加太の海岸線は岩が多い。しかしさすがはここまで楽々きただけあってなんなく通過、そこで更に判断が狂っていく。
県境から多奈川とずっと波がきつい。帰りは追い潮の向かい風で波が立ちやすい。

かなりの風であたり一面がウサギが跳び出す。やはり北風は重い。しかし向かい風にさらされ続けアルピナ2が遅れだす。そらシーカヤックやシーショアとは元々のスピードが違う。そこで無理せずマイペースでとファルトは少しペースを落としてシーカヤックと距離が開く。そして一番の難所の関電跡に差が開いたまま突入!
実は今回の私の艇は少し穴があいて浸水していた。まあ30分に1回ぐらいポンピングして水を抜けば問題なかったのだが、この時水を抜かずに難所に突入。もう1艇のアルピナのMさんを励ましつつ漕いでいたが流石にやばくなってきたので水を抜く。しかし予想以上の横波でうまく抜けない。更にバウシートのYさんは90kgの巨漢。波がくると前が沈んで更に水がはいる。一度右によろうとして完全に重心がずれて必死のハイブレス。そこからは恐ろしくて浜側(風下)に艇を向けれない。Mさんとも離れどんどん沖に流される私たち。すでに艇の中で膝が水に浸かり操作できない状態。
今だから言えますが一旦は完全にあきらめました。でもYさんを無事帰さなくてはと思い浜でなくずっと先のみさき公園を目指す。曲がれないならまっすぐいって陸地まで漕ぐまでだ!
もうあとは少し波が収まると水抜き、そして風で沖に沖に流されるので少しでも寄れるときは浜によってひたすら前へ。30分ぐらいたつと少し波がゆるくなったのでできるだけ浜へ寄りながら漕ぐ。そしてようやくサポートを見つけたので必死で呼んで支えてもらって水抜き。水さえ抜けたら問題ない。あとはあっさり戻れました。

(無事戻り万感を込めて海を見る)
戻ったらしばらくは緊張の反動でねっころがって動けず。足にはクッキリフレームの跡。そして下半身ずっと浸かりっぱなしなので寒さで震えてました。あとからYさんはヘリで捜索されるのも覚悟したとか・・
計画の変更、己への過信、装備の不備もういろんな要素が重なって本当に危ないツアーをしてしまい大反省。もちろん帰りは写真など1枚も撮れず、GPSも知らない間に電池が切れてました。本当に怖かったです。
改めて無理は禁物、計画は余裕をもって装備は万全にです。9/9・・忘れないように心に戒めとしておきます。

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