オリンピックのカヤックレースを見ながら、選手のストロークのピッチ数を数えたら1分間に105回ありました。私のツーリング中のストローク数が65〜75回ぐらいですから、約1.5倍の回転数が時速17〜18kmのスピードを生み出しているわけです。もちろん高回転数は胴とヒップのローテーション、パワーがその前提条件でしょう。
カヤック選手のフォワードストロークについては、北京オリンピックのシングルカヤック1000Mの優勝者、ティム・ブラバンツの動画解説がとても参考になります。しかも解りやすいように実際の半分のスピードでそのフォームが示されています。
https://www.youtube.com/watch?v=BwhdA5wtY2c
ストロークの注意点として@ブレードは水を直角にキャッチするAできるだけカヤックの前方側面に近いところにブレードを入れるB腰・ヒップのローテーション(回転)で漕ぐC(水をキャッチし推進させる)パワー局面では両腕ともに伸ばした状態で漕ぐDブレードがヒップの位置に来たら上げる。この4つがあげられます。
動画解説ではストロークを4つの局面に分けてを説明しています。
@セットアップの局面では、パドルが水面とほぼ平行になっており、前腕は伸ばした状態で顔の高さ、後腕は直角に曲がって耳から40cmほど離れた位置にあり、胴・ヒップと一体となって動く肩は前方に向かっています。Aキャッチの局面では、後方の腕がブレードの角度をコントロール。いったん拳が上がり前方のブレードを(できるだけ直角になるように)水中に突き刺しています。この段階では両腕はまっすぐ伸ばした状態となっている。Bパワーの局面では、両腕はともに伸びており特に低い方の腕はほとんど曲がらず腰の回転とともに後方に動いている。高いほうの腕、とくに拳に注目。拳は目の高さで右から左(または左から右)へと高さが変わらず移動している。高さが変わらないことが水を直角にキャッチするヒントです。膝にも注目。漕ぐ側の足を力強く押している。膝がストロークとともに上下に動いています。C引き上げの局面では、漕いでる側のパドルが位置に来たらパドルを一気に上げ次のストロークへと移る。ヒップの位置より後方の場合、水を直角にキャッチできなくなるからです。
こうして見ると効果的なフォワードストロークのヒントは@腰とヒップのローテーションで漕ぐA水を直角でキャッチするの2点に絞られるようです。そして漕ぎながら自己チェックする時は@両腕がきちんと伸びているか。少し曲がっている場合にはその角度が変わらないか。A上の方の拳に注目し、それが左右(ボクシングのロングフックのよう)に移動しているか。動いている拳の高さが一定しているか。に留意したらいいのではと思います。
なお拳の高さはレーシングカヤックではほぼ目の高さですが、ローアングルで漕ぐシーカヤックではそれより低くなります。漕ぎ方の個性によってその高さが異なるでしょうが、私の場合は顎と胸の中間程の位置で漕いでいます。

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