(2日目)5月14日
鹿浦港5時30分発、花徳海岸18時30分着。 行程46km。

漁師さんに島で潮流が厳しい所を尋ねたら、東海岸に突き出た犬田布岬と北東端の金見崎が流れが速くよく荒れるという。
写真は犬田布岬。琉球石灰岩の絶壁が続く。潮流は流れてはいるが、風裏・波裏になっているので問題ない。真北に徳之島空港が見える。

小雨が降っては止んだりする雨模様のなか漕ぎ進む。雲の合間から太陽が覗きやや明るくなり、東の空を見上げると虹が現れるがいつの間にか消えてしまう。

犬の門蓋(じょうぶた)という隆起サンゴ礁の奇岩が1kmにわたり続く。この奇岩地帯を過ぎると徳之島2番目の町・平土野の港を横切り、徳之島空港の横を通って避難港にもなっている松原に上がる(10時30分)。ここまで23kmだから順調なペースだ。
ところが再出発後、灯台のある与名間崎を過ぎるころから明らかにペースダウン。漕いでも漕いでも景色がほとんど変わらない。時速を測ってみたら2km前後だ。向かい風が吹いてはいるが明らかに向かい潮の影響だろう。金見崎まで10km弱はある。

島の西北端・崎原崎付近にあるムシロ瀬。徳之島には珍しい花崗岩の地層が広がっている。速度はやはり2kmほどで遅々として進まないが、ようやく金見先に間近に見えてくる。

金見崎に近づくとともに潮流による波が東から西へと寄せてくるが、海況がいいのでこの程度なら問題ない。リーフで崩れる波に巻き込まれないように用心しながら岬を回り込む。宿泊予定の山港まで5km程度だから5時半までには着く。そう思っていたがなかなか到着しない。前方に見える母間の集落を山の集落と勘違いしていたので山の入り江を過ぎてしまった。結局5km先の花徳海岸の南の浜に上がる。ほぼ13時間漕ぎ続け、食事をとる時には辺りは真っ暗になっていた。

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