ダイビングに来られる方の多くが水中カメラを持ってこられる。
こんなに船の上に水中カメラがあるなんて、10年以上前には誰も
想像できなかっただろう。取り扱い方も年々、簡単になってきて
手軽に買える値段でもある。水中撮影の仕事を手伝い始めた頃は、
撮影機材自体、一般の人が買えるような値段ではなかった。
ストロボも一回、一回、電球を取り換えるようなもので水圧に
押しつぶされることもあったなんて、今では想像もつかない
だろう。
手軽に買える値段になり取り扱いも雑になってきて、カメラの
水没も珍しい事ではない。水没するのは、ダイビングの初日の
1本目というのが多い。ほとんどが乾燥材やパッキンの不具合が
原因で水没している。水中カメラの水没については、詳しい
つもりで色々な質問に対応できるつもりでいたが
突然、「人間の身体って防水になっているのですか?」と聞かれ
戸惑った。ヘソから水が入ってもおかしくはない。耳や鼻、毛穴、
身体中穴だらけ。「内圧と外圧が・・・」と説明しても本当に
自分自身が理解しているのかわからない。
「人間って何メートル防水なのか?」
医学書にも書いていないだろう。
豆腐をたとえて、1万メートルまで落としても、豆腐はそのままの
形であるはずだ。(本当かな・・・・)確か、7.000mあたりまでの
実験結果はあるけれどお客さんの単純な疑問にわかりやすく
説明する事ができないなんて、私はあまりにも
知らなさすぎる。インストラクターなんて名ばかりで失格だな。
