梅雨が明けると雨でやわらかくなった土の中からセミが
はい出してきてクマゼミの季節がやってくる。朝、太陽が顔を
出すのを待っていたかのように、一斉になきだすセミの鳴き声は
目覚まし時計など比べ物にならないほどで、騒音に近い。
目覚まし時計ならボタンを押せば止まってくれるが、セミの鳴き声
だけはどうなるものでもない。
そのセミの鳴き声もお昼前には自然と合唱をやめる。
セミ時雨とはよく言ったもので、宮古島ではセミ時雨と言うより
スコールだ。セミの鳴き声に文句など言う人はいなかったが、
市内の人口の10%を占めるナイチャー(本土からの移住者)から
役所に「セミの鳴き声をなんとかしろ!」と苦情もあるらしい。
自然の時の流れにクレームをつけるようなもの。
電柱が景観を損ねると「景観訴訟」を起こしたり、今までは
考えられない苦情も多いとか・・・確かに、朝から一斉に鳴きだす
セミの鳴き声は、騒音と言えなくもないだろう。
初めて迎えた夏は、セミの鳴き声にヘキヘキしてしまった。
近所の子供を集めて一匹何円かで買い取ろうかと思ったほどだ。
だが、年々、セミの住処が減っているのか、気候の関係かその数も
激減しているようでとくに今年はセミの鳴き声が気にならない。
それに、スズメがやってこないことに気付いている人もいるだろう。
