私の祖母の田舎(能登)では、
「お盆を過ぎてから、海に入ってはダメ!」と言われている。
海がすぐ近くにあるのに、「海に入るな!」と言われても
小学生だった私には我慢が出来ず、こっそりと祖母の目を盗んで
海に泳ぎに行った。
そんなある日、海遊びに夢中になって岸に戻ろうとしたときには、
回りがクラゲだらけ。体中クラゲに刺されてひどい目にあった
事がある。背中もお腹も顔も痛くて痒くて、「薬を塗ってよ」と
祖母に言うと「だから、あれほど言ったのに、
バカにつける薬はない。」と叱られた。
「どうして、お盆を過ぎたら、海に入ってはダメなのか?」と
聞いたとき「あの世に帰らなかった幽霊が、海にいて足を
ひっぱるからだよ。」と教えたのは祖母だ。
「幽霊上等!」と海にこっそり行ったのは私。
最初からクラゲの話をしていてくれれば行かなかったかも知れない。
どこの地方にも似たような言い伝えがある。
昔からの言い伝えには、何か意味があることが多い。
クラゲの発生もその一つで、お盆を過ぎたあたりから、宮古島でも
増えてくる。増えると言うより沿岸に近づいてくると言った方が
正しいだろう。風向きによっては港の中一面にクラゲが異常発生
する時期がある。クラゲに刺されたときは、砂でこすらず、
各ビーチには、救命浮輪と酢が置かれているので、刺されたところに
酢をぶっかけて、ひどいときは病院に行くのが良い。
