1989年(昭和64年)1月は、三が日を過ぎたあたりから
北風が強く吹き海が荒れて漁にも出られず、正月気分が
抜けきらないまま麻雀をしていた。
カーテンを閉め切って麻雀に明け暮れていたので、
夜か昼かもわからない。
NHKしか映らないテレビを誰かがつけると昭和天皇が
崩御したというニュースがやっていたので、7日に
なっていた。
あれから23年という月日が流れたのに、あの日、麻雀を
しながら話した会話を昨日の事のように覚えている。
昭和天皇の事・・・・
「何かテレビで大変な事をやっているなぁ」
そんな世間の大事より前に座っている奴の捨牌はあきらかに
役満の国士無双、右に座っている奴の鳴牌は、
白と中が並んでいた。
積もってきた九満を切れば、三面待ちのリーチで上がれば
親の跳満!
そんな緊張した場面で、前に座っている奴が
「俺達って、50歳になったらさぁ何をしているかなぁ?」
ナニ?この余裕は?つまり役満の国士無双をテンパって
いるということか?右に座っていた奴は、その問いかけに
「俺は多分、それまで生きているとは思わないなぁ〜」と
余裕で答えていた。(お前もテンパイか?)
とてもリーチをかけれる状態ではない。
ここは素直に上がり放棄だな・・・・
このあいだ、50歳になった。
私はあの頃と同じ好きなことばかりやっている。
前に座っていた奴と右に座っていた奴は、アメリカに行ってしまった。
