昔々、ある漁師が、潮干狩りをしていると、
入髪(いりがん)を拾った。
入髪とは、沖縄の女性が髪に刺すカンザシの事。
その入髪を持って帰ろうとしたところ、砂の上にうずくまって
泣いているとても美しい女性がいた。
「どうして泣いてるの?」と聞くと
「私は大切な入髪を落としてしまいました」と答えた。
漁師は、先ほど拾った入髪のことを思い出して、
「あなたの落した入髪はこれ?」
「ああ、それは私の入髪です。ありがとうございます。
お礼になんでも欲しいものを言ってください。」
漁師は「いいえ、私には欲しいものはありませんが、私の
お嫁さんになってください。」と言いました。
実は、なんとこの美しい女性は龍宮の神様、つまり乙姫様
だった。漁師にそういわれて仕方なく漁師のお嫁さんに
なった。
夫婦になった夜、漁師が眠って目を覚ましたら乙姫様は
消えていた。一年たっても帰ってこなかった。
漁師は昼も夜も船を出して探したが、それでも見つける
ことが出来ない。
ある日、漁師が船をこいでいると「お父さん お父さん」
と呼ぶ声が聞こえる。船の前を見ると三人の女子が舳先に
つかまっていて、「お父さん、船に乗せて」
と言う。「どうして?お父さんと呼ぶの?」と聞いたら、
「龍宮のお母さんが、お父さんを連れて来いって言ってます。」
この先は浦島太郎とほぼ同じストーリー
これが宮古島に伝わる「浦島伝説」
ほとんど怪談話しみたいだけど、全国どこにでも
ある浦島伝説、拾った物を落とし主に返して、
「なにもいらないから嫁になって!」
なかなか言えることではない・・・・・・
