宮古島には、海風を利用した8機の風力発電がある。
このうち7機は、平成3年に開始された
風力発電システム実用化実証研究用。
1機は、地下ダムに貯水された地下水を農業灌漑用に揚水する
電気の発電を主目的に設けられた。
7機の実証用研究用装置のうち、5機は、西平安名岬にある。
この装置が建てられたとき、近くに住む私の知り合いは、
あのプロペラで岬の先端が飛ぶのではないかと真剣な
顔で話していた。
西平安名岬にある風力発電装置は、日本とデンマーク製で、
ローターの直径は、28m〜36mある。強い風を受けるのだから、
風速120mまで耐えられるとのことだった。
がっ、2003年に宮古島を襲った台風14号で、倒れて
飛ばされてしまった。
彼が心配してたのは、まんざらでもなかったというわけだ。
もし、風向きが集落の方向に吹いていたなら、
大きな被害が出ただろう。
風力発電は自然破壊や排ガスを伴わないクリーンな
システムとして期待は大きいが、難点は「風だのみ」で
あるため、安定した電力が得にくい。
たとえば、宮古島の場合、冬季は北西モンスーンの影響で、
強い風を得やすい一方クーラーなどの消費電力が大きくなる
夏季は、あまり強い風が吹かないという状況がある。
そして発電しても蓄電技術がまだまだ追いつかないという
実態もある。
風力発電は、風速が14mで、1機あたり、およそ250〜600kw。
宮古島で常用されている電気は、2カ所の火力発電で
発電されており、その出力は合わせて61.500kw。
クリーンなエネルギーを得るには、まだまだ足りない。
