子供の頃、夕方になると「松下電工」と書かれた
ランニングシャツを着て、毎日、小学校の運動場を
走っているオジサンがいた。
このオジサンは自転車の二人乗りを見ると遠くからでも
走って来て大声で叱るので
子供たちは「松下のオッサン」と呼び恐れていた。
昔は近所に地元の人だけ知るこんな有名人がいたもんだ。
ここ宮古島にも島の狭い範囲だけの有名人が何人かいる。
毎日、おしゃれな服を着て自転車でどこに
むかっているのか?男か女かも定かではない、自転車に
乗っている姿がガイコツを思わせることから
ガイコツと呼ばれている人がいる。しばらく見かけなかったが、
ついこのあいだ近所のスーパーで見かけた。
自転車の後ろに古いラジオを縛り付けて大きな音量で
ゆっくり走るオジィがいる。
このオジィを人は「東京オジィ」と呼んでいる。
若い頃に東京に出稼ぎに行って事故に合い、ほとんど耳が
聞こえなくなったと言われている。東京に耳を置いてきたので
「東京オジィ」噂の真相は嘘か真かわからない。
毎日、大きなカバンを持って歩いているオバァがいる。
いつも同じ服を着て大きなカバンには生活用具一式が
入っているそうだ。人はこのオバァの事を
「引っ越しババァ」と呼び子供たちは恐れている。
もう一人、最近見かけなくなったが、全身茶色の服を着て
自転車に乗っているオジサンがいる。子供たちは
このオジサンの事を「茶色マン」と呼ぶ。
このように、地元の狭い地域だけの有名人は島にも存在する。
