台風は、巨大な渦巻きになっていて、地上付近では
上から見て反時計回りに強い風が吹き込んでいる。
そのため、進行方向に向かって右の半円では、
台風自身の風と台風を移動させる周りの風が同じ方向に
吹くため風が強くなる。
逆に左の半円では、台風自身の風が逆になるので、
右の半円に比べると風速がいくぶん小さくなる。
台風が西側を通過するとき風は時計回りに変化し、
東側を通過するときは反時計回りに変化していく。
台風の位置をしるのは、風を背中に受けて左斜め前の
延長線上ということになる。台風が接近してくると、
台風の位置、台風の大きさ、進行方向、移動スピードを
常にリアルタイムで情報を受けながら、出港するか?
その日のポイント状況を確認してから決断する。
海上保安庁から出港を控えるように通達があれば、
出港はしない。
それ以外は各船長判断ということになる。
台風の動きや風の変化をあまり把握していないところも
あるようだ。このあいだの台風では、最接近の日に
出港した。それは海の状況を目で確認して、その後の
進路から風向きがわかっていたからで、無理をして
出港したわけではない。
その逆のときもある。まだ影響が出ていないのに出港を
取りやめることもある。その後の海の状況が予測
できるからで、休みたいから取りやめたわけではない。
台風接近時に出港するか、取りやめるかは、
各船長判断で、たとえ海の状況が良くても、
数時間先のことを考えて判断する。出港するショップが
あれば、取りやめるショップもある。
決断するのは難しいところだが、けっして無理はしない。
