この島にやってきた頃は、毎日、毎日、
よく遊んだ。目が覚めたらビーチに行って、
気の合う仲間と水上スキーやジャットスキー、
どこかのビーチでいい波があがっていると
聞けば波乗りのボードを車に積んで走った。
日が西に沈みかける頃になるとサンセットを
眺めながらビールを飲む、その繰り返し。
いつもの仲間といつもの毎日が、あの頃は永遠に
続くと思っていたのかも知れない。
毎日、待ち合わせをするわけではなく、集う仲間の中に
聾唖(ろうあ)の友達が何人かいた。
1964年にアメリカで風疹が大流行して、約2万人の
先天性風疹症候群の子供が産まれ大きな社会問題と
なった。アメリカでの流行から半年遅れて、当時
米軍統治下の沖縄で風疹が大流行し、この年の12月から
翌年末までの一年間に沖縄で408人の先天性風症候群
の子供が産まれた。この数字は人口10万人あたり44人に
相当し、赤ちゃん50人に1人の割合となっている。
そのときに産まれた風疹症候群の大半が難聴児で
あった為、その子たちが中学生になった1978年に沖縄で
専門の聾(ろう)学校が開校された。
最初は耳が聞こえない、話せない人との付き合いに
戸惑ったこともあるが、毎日、一緒に遊ぶうちに慣れて
しまい絆も深くなっていった。
今でもたまに島内で出会うこともある。
お互いに年齢を重ねて、自分の生活をしている。
日本では1977年から思春期女子に限定した
ワクチンの接種が始まり、95年から男女共に
乳幼児に接種されることになった。
風疹はワクチンで防げる病気である。
関東では風疹が流行の兆しを見せ始めているそうだ。
子供の未来のためにも接種したほうがいい。
