沖縄は戦前から、多くの人が移民として海を渡った。
移民の歴史は1899年(明治32年)のハワイに始まり、
その後も昭和初期まで断続的に続き、現在は
世界30ヵ国、30万人以上の人が海外で暮らすまでに
なっている。
沖縄に住んでいると「移民」という言葉を
よく耳にする。宮古島には、高野という集落が
あるが、オジィ・オバァは、高野と呼ばずに移民集落
という。石垣島も港周辺の方言は、
沖縄の糸満方言である。
姓を聞けば、その人が移民であるのか、元々島の人
であるのか島の人ならわかる。
西表島のことも移民の島という。
元々住んでいた住民はマラリアで全滅した歴史があり
その後に移住してきた人たちによってできている。
慶良間で長く滞在していたとき、住民同士の
いがみ合いに出くわしたことがある。
そのときのののしり合いが
「お前は移住してきて200年だろう、ウチは250年以上になる」
という言葉が印象に残っている。
沖縄では長男が家と畑(土地)を継ぎ次男は補欠であり
3男4男は新たな土地を見つけ出ていかなければならない。
オバァも「海外で困ったことがあれば、
ウチナンチュウ(沖縄の人)を頼れ!」とよく言っていた。
海外ならほとんどの国に沖縄の人がいる。
実際に何度か海外で沖縄出身の人に
親切にしてもらったことがある。
沖縄は移民県なのだ。
