非常事態宣言で、十五夜に行われる行事は、
ほぼすべて中止となった。
例年だと、子供たちは十五夜にむけて手製の
獅子舞を作る。そして十五夜当日、月が出始めると、
子供たちは何人かで集落の家をまわって
獅子舞を披露する。
「シーシャ ガウガウ シーシャ ガウガウ」
厄除けと家内安全を祈願する。
獅子舞が終われば、家の人からお菓子などをいただく。
これが本来のシーシャ ガウガウの獅子舞。
直行便が飛び始めて、来島する観光客が増えた。
市内のホテルは、ほとんど夕食はついていないので、
市内の居酒屋に出る。
そこへ獅子舞の子供たちがやってくる。
「商売繁盛、シーシャ ガウガウ」
その可愛さに観光客がお小遣いを渡す。
最初は100円えあったのが、いつのまにか500円となり
酔いも手伝ってお店のテーブルの数だけ
500円が飛び交う。
なかには芸達者な子供もいてサンシンを奏でて
唄を披露する子も現れた。
観光客も大喜びで投げ銭が惜しみなく出る。
一軒のお店で少なくても5千円、10軒回れば
5万円以上子供たちがお金を手にする。
十五夜はシルバーウィークと重なることもあるので
子供たちが手にするお金の範囲をこえている。
親も親で市内から遠く離れたところの子供を
車で送り迎えする。
いつのまにか悪習に変わってしまった。
