昔々・・・・沖縄の女性の大半が、手や指に
入れ墨を入れていた。
この入れ墨のことをハジチ(針突き入れ墨)
という。
私がこの島に来た頃、市場のオバァの何人かは
ハジチをしていた。
ハジチは本来、一人前の女になったことを示す
成人儀礼のひとつだと言われている。
ところが、明治の初め頃までは7歳ころに最
初のハジチをいれ、本格的な文様を入れたハジチは
16歳に開始し、婚約直前に完成することに
なっていた。
「沖縄の祭事と信仰」
字のようで字ではない。ムー文字??
象形文字のような模様。
薩摩の侵攻以後、沖縄の女性が薩摩につれていかれるのを
避けるためにハジチするとか、イレズミをした手が
遭難しかけた船を支えたために難を逃れたという
故事に由来してハジチの風習が生まれたという
伝承もある。
ハジチをしないとあの世で浮かばれないという
沖縄の唄もある。
出会ったことはないが、彫師のことをハジチャー
または、ハジチセークという。
すべて女性だったというのを聞いたことがある。
沖縄のハジチの風習も、1899年に出された
明治政府の禁止令によって表向き
はなくなったとされる。
そういえば魚の行商をしているオバァで凄い
模様のハジチをしている人がいた。
当時で80歳を超えていたから、
おそらくもういないだろう。
