【くるみ坂の少女 25】
うーん。僕はよほど彼女の裸の方に気を取られていたのか、そのへん記憶がはっきりしない。
ヌアット「あ」
少女「なに?」
ヌアット「いや、なんでもない」
そういえば、さっきまでたくさんいた悲しみの神(まあ仮にそう呼んでおこう)がすっかりいなくなっている。
どうやら彼女の気持ちが平静さを取り戻したからだろう。興味を失ってどこかへ行ってしまったのだ。
僕は少女に案内されて、裏口から店を出た。
なにかあったときのために、店にはあまり目につかない廊下がいくつか用意してるんだという。なにかってなんだろう。

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