紙芝居師の広場

●カナンの書き言葉
　神聖期に使われているカナンの書き言葉は、大別して二種に分かれる。

・パヌ
　表音文字。ひと文字で１音〜２音を表す。
　ひらがなに近い言葉で、カナンの言葉はほとんどこれで書き表せる。
・ムガ
　表意文字。もともとは神を書き表すための意匠で、神々の名は正式にはこのムガひと文字で書き表す。もちろんその音を拾って、パヌで書き表すこともできるが、それは下世話な表現であるとされる。
　新しい神が現れるたびにムガは増え続け、その後一般の固有存在などもムガで書き表すようになってきた。

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　太古より大切な記録を記した書物には赤い表紙をつけると決まっているのさ。 #cananseito


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●ヴォジク
五王国のひとつ、ヴォジクについてのこと。

　五王国時代には商人たちの国として知られるヴォジク。しかしその商人としての能力の前提として、彼らの優れた造船、操船の技術があった。いち早く複数帆、縦帆を取り入れ、向かい風でも自在に大河を行き来するヴォジクの優れた船乗りたちによって、大河文明全体を支配するほどの巨大な流通が確保されたのだ。
　一方で、五王国時代に至るまでヴォジク人はその優れた操船術を、覇権の力と見なしたことはなかった。大河流域のどこへでも自在に兵力を送り込む能力を有していながら、彼らはあくまで大国の傭兵としての地位を維持し続けた。
　そうしたヴォジク流は、五王国時代の終わり、僭王バーブックによって、覇権主義へと大きく舵を切られることになる。ヴォジク＝ハンムー連合王国の誕生である。


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●ヴラスウル
五王国のひとつ、ヴラスウルについてのこと。

　野暮ったさでよく引き合いに出されるのは、ヴラスウル人も同じだ。建国してから歴史の浅いこの大王国の人々は文化的に洗練されていないことをよく揶揄される。
　ただ、それがあまり否定的な響きを帯びないのは、ヴラスウル人の気性が概して純朴で、ひとなつこいからであろう。そう、木訥で騙されやすいおひとよし、というのがヴラスウル人の印象なのである。
　さらに、他国の文化を取り入れるのに熱心な彼らは「物真似屋」と揶揄されることもある。この場合にはかなり侮蔑的な意味合いが入っている。


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●クンカァン
五王国のひとつ、クンカァンについてのこと。

　同じ戦の中から生まれた気質であっても、クンカァンはまた異なった色彩を持っている。
　長い間、この地域では統一した王国がまとまらず、小さな氏族ごとに激しい争いを繰り返してきた歴史がそうさせるのだろうか。クンカァン人は争いごとが好きで、受けた恨みを決して忘れないと言われる。
　一方でボジク人についで金に汚いとい割れるのがクンカァンの人々だ。
　統一した大王国ができあがってからも、主要な産業が傭兵であったためであろうか、クンカァン人から借りた金を返さなかったときは、命が無くなるのを覚悟した方がいいと言われる。
　文化的にはカヤクタナ以上に野暮ったく、洗練されていないという認識があり、「クンカァン人のようだ」というのは、相手の見目に対する一番の罵倒となる。


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