紙芝居師の広場

●シラの星
　東の空に輝くシラの星。
　青白く、周囲の星よりひときわ大きく輝くこの星は、神々の力と強く結びついているという。
　この星の輝きが増す晩には、神々が騒ぎ、ひとの中にもその影響を受けてしまう者が現れる。

　例えばウヌヴァヌルヴァの血をひく者は、シラの星が輝く晩にはけだものの姿に変化してしまうと言われる。
　カナン各地に、半神半人の怪物を退治した話が伝わっているのはシラの星の力が決して伝説の中だけのものではないことの証拠であろう。

　もっとも、シラの星にはカナンから去ったもっとも古き神の一族が住むというのはただの伝説に過ぎないだろう。なにしろ、カナンには太古の神々がいまでも現実に住んでいるのだから。


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