推定人口:60万
首都:エレオロク
現君主:モロロット2世
国を象徴する色:緑
●国土
カヤクタナの国土は、ゴヌドイル川とその支流のネタニ川流域の豊かな平野部です。南東部には南シク山脈の山岳地帯があります。周囲には、クンカァン、ヴラスウル、ハンムーに囲まれており、北は辺境地域に接しています。
●産業
カヤクタナは、全体的に各種の産業バランスのとれた豊かな国です。
平野部は早くから農地として開けており、ゴヌドイル川、ネタニ川領域で穀物、綿花、牧草、その他の農産物全般がよく取れます。山間部では、各種果実がよく取れる他、牛、豚、家禽などの家畜の飼育も盛んです。
カヤクタナの前身のモダ国は、ファラタ山から多量の銀を産出して「しろがねの国(カヤヌンゲイア)」とも呼ばれましたが、現在はその鉱脈はほとんど掘りつくされています。国有の坑道は収益より維持費の方が高くつく有り様で、鉱業は、もっぱら個人ないし小集団の鉱山師や職人たちの仕事です。今も銅や錫が採掘され、時には少量ながら金銀や宝石も見つかります。
また、銀で繁栄した時代からの伝統で、都市部では銀細工をはじめとした宝飾品の加工技術が高度に発達しました。一般に「カヤクタナ人は手先が器用」というイメージがあり、金属細工の他にも、綿織物、毛織物、染め物、陶器などの手工業も発達しています。
●文化
カヤクタナの文物の特徴は、洗練された繊細さです。細工物などは細部にまでセンスの良い意匠が凝らされています。カナン地域の中でも、特に文化の香り高い国と言えるでしょう(※1)。
また、銀が採れた頃にその収入で国家運営をしていたため、この国は民からの収税が比較的いい加減です。現在でも国の統治は緩やかで、カヤクタナの民は比較的自由な空気の中で生きています。このためカヤクタナ人は自尊心が強く、束縛されることを嫌う傾向が
あります。特に、細工師などの職人にその傾向が顕著で、組合のようなものがあるわけではありませんが、彼らは扱いにくい存在です。工芸品に新しい税を課そうとした宰相がいましたが、このような気風のために暴動寸前の騒ぎが起こり、その宰相が失脚したという事件も起こっています(※2)。
●君主
モロロット2世
(34歳/男性)
カヤクタナ王モロロット2世は、まず名君と呼んでよい君主です。建国の英雄ナンハバスの孫にあたる彼は、即位以来6年、国民を慈しんで善政を敷き、家臣たちには公平であり、神聖ウラナングのクマリに対しては厚い忠誠心を持っています。その間に、傾きかけていた財政を産業振興政策で立て直すなど、辣腕ぶりも見せました。国民に敬愛され、また他国からも一目置かれている王なのですが、それだけに人間的にはいささか面白味に欠けているようです。ハンムーから輿入れした王妃ウナレ(28歳)にはそれが不満なようで、彼女には浮気癖があるようです(※3)。
※1:旧モダ国の印象からくる記述と思われる。ナンハバス以降のカヤクタナは、新興国でありハンムーやヴォジクからは「歴史ある国を引き継いだ粗野な国」という印象を持たれていたところもある。
※2:これも旧モダの印象が強い記述。ナンハバス以降はクンカァンに対抗すべく武人たちが台頭し、この頃にはモロロット2世による強力な家臣団が形成されていたという側面もあった。ただし、モダから続く自由な気風は残っていて、最後の神戦役では職人集団が義勇軍を編成することもあった。
※3:後半部は、後に誤解であったことがわかっている。詳しくは「カナンの人生波瀾万丈」におけるモロロット2世とウナレ王妃の回を参照。
(注釈部分は、転記者である伊豆平成が2011年現在に付け加えたものです)
◇神聖期101年『最後の神』戦役直前での五王国の様子を紹介していきます。カナン世界の物語を書くとき、ゲームに参加するときの参考にししてください。

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