
先日、とある事がきっかけでフジタカヌーの
アルピナ500ハイブリッドを借りることとなった。
そこでその時の感想を書いてみたいと思う。
まず基本ベースはロングセラーのアルピナシリーズのサイズアップ、430、460とある現行品にその上のサイズが追加されたというところ。
ただアルピナ430と460でも単に長さが30cm違うのではなくリブフレーム(縦のパイプをつなぐ輪っかのような部品)が430は4枚に対して460は6枚。
更に裏から支えるロアストリンガーが460は標準装備。

(黒いのがハイブリッドパイプ)
そして500は460と同じ6枚リブフレームで、通常のアルミパイプより強いハイブリッドパイプ(グラスヴファイバーパイプ)を上部のデッキ部分とストリンガーに使っている。
これでかなり強度があがっている。
そしてシート間が広がり、従来のアルピナ430、460(この二つはシート位置共通)より広くゆったり座れるようになっている。
実はフジタカヌーのタンデム艇でノアはそこまでコクピットが広い艇ではない。(特にバウ)
その為体重が100kgぐらいの人が二人なら私もボイジャーかエルズミアを進めていた。
この体格のいい人二人に適応するのがこのアルピナ500ハイブリッドとなる。

ただフジタカヌーは名前で損してますね。
ARFEQと比べると、アルピナ430にあたるのがアリュート430、460にあたるのがボイジャー460、500にあたるのがエルズミア570、ARFEQは名前が違うので上位機種とわかりやすいが、フジタカヌーは名前が同じなので、長さが変っただけかと勘違いしやすい。
実際は別の種類の艇といったほうが適してるのですが・・・

では早速漕いでみよう。
ちなみにこの日は冬型の気圧配置の琵琶湖、風速は5m+αといったところか。
まずは剛性の高さを感じる。
向かい風に対してもそこそこスピードが出る。
安定感も申し分ない。
とここまでは予想通り。
前後のシートの間隔があいてるのでパドルもあたらない。
ただそれが問題、私の感覚ではシートの間が広すぎるというか後部シートの位置が後ろすぎる。
今回は二人とも漕げるので問題ないが、前があまり漕げない子供などでは後ろで操作しきれない。
なまじ全長が長いだけに横風吹いて後ろからパドル操作だけでは方向を変えづらい。
たとえていうと、FRの車で雪道か。
前が動いてないと横滑りを起こしてまっすぐ進めないし、後ろから漕いでも位置が悪く効きづらい。
これは正直言ってラダーが欲しい。
今回試さなかったがシートをベルトで調整してもう少し前に出せる。
多分10〜20cmずらすとかなり変わると思う。
ただそうなるとコーミングカバーの位置がずれ、スプレースカートの後ろがはまりきらない。
かなり大きなものを使わないと装着できない気がする。
このあたりは今後機会があれば試してみたい。

ファルトは組み立てれるのが一番の魅力、ただ大きくなるとどうしてもフレームも多くなるし、船体布も大きくなり洗いにくい。
このあたりはどうしようもない所で自分の中で折り合いをつけていかないといけない部分。
今回の500の評価、剛性もあがり名前こそアルピナだが、ハイブリッドシリーズもしくはグレードをかえた名前でもいい出来。
ただ私にはあまり使いどころがない。
これが100gクラスの人が二人なら悪くない選択と思う。
でも65kg台の体重で、大きな荷物を積んでのキャンプツーリングはせず日帰り主体の私にはいいとこ460かな。
極端な例だが、性能がいいからといって通勤にフェラーリは無駄。
正直これならエルズミア570の方が漕ぎバランスがいい。(クルーソーのタンデムは漕いだことないので今回はパス)
とにかくシート位置をもう少し前にしてみる、フィッシュフォルムに近づけるために浮力体を後ろ三分の一ぐらいを畳んで後ろを少しでも細くしてみるなどを試してみようか?
そんな事を考えながら終わった日でした!

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