2013/6/9
無事、本山での補任式を終えました。
全国より活きの良い新住職が相集いました。
同部屋の方のイビキがすさまじく、ほとんど一睡も出来ぬまま、二日目の補任式を迎えたことでありました。
決意表明の原稿をそのまま掲載いたしましょう。
さすがにご門主の前での読み上げは緊張と寝不足の身には応え、足がガタガタしました。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
本日、ご本山阿弥陀如来様のご尊前におきまして、私たち46名はご門主さまより浄土真宗本願寺派の住職としての任命を賜り、大いなる慶びと同時に、これからの責務の大きさを感じますとき、一層威儀を正す思いであります。
さて、昨今の寺院・浄土真宗を取り巻く状況には厳しいものがあり、現場での拙い経験上ではありますが、従来の方法論が通用し難くなっていることを感じます。
しかしながら、蓮如上人が
一宗の繁昌と申すは人のおほくあつまり威のおほきなることにてはなく候ふ 一人なりとも 人の信をとるが一宗の繁昌に候ふ しかれば 「専修正行の繁昌は遺弟の念力より成ず」とあそばされおかれ候ふ
とお諭しのように、目先の成果にとらわれることなく、お寺に集う方々が阿弥陀如来との深い仏縁を結んで頂くという目的が達成されることこそが宗門・寺院の繁昌であることが知らされます。
その目的を達成するためには、私たちはまず、わかりやすい言葉・表現を用いて門信徒の方々と接することが肝要であると考えます。世代の移行や情報・価値観の多様化により、これまで通用してきた言葉や概念が伝わりにくくなり、また、ややもすると僧侶は上から目線で人々と接しがちでありますが、常に我が身の立ち位置を確認し、真摯にお念仏の慶びを共に味わうことの出来る人間とならねばならないでしょう。
将来する激動の時代に翻弄されることなく、一寺院の門信徒のみならず、地域の方々・あらゆるお立場の方々との交流を積極的に深め、ときには皆さまからの厳しいご批判の声にも真摯に耳を傾けつつ、お念仏の道場たる寺院を、我が身命を省みずして次世代に引き継がねばなりません。そのためには時に大きな決断力を奮って進取果敢に物事に当たっていくこともあるでしょう。
住職は一人では何もできません。本日、全国からご門徒の代表としてご列席下さいました門徒総代の方々は、我々新住職が思う以上に、住職・門徒とが一致団結してお寺を盛り上げていきたいと望まれていると思います。それぞれの地域性を考慮しつつ、阿弥陀さまの大慈大悲のみ教えをお取り次ぎする最大限の努力を重ねて参りたい、と思うことであります。
最後に、私事で恐縮でありますが、去る5月17日に前住職でありました父が75年の人生を終え、往生浄土の素懐を遂げました。ご本山よりこのたびの住職補任式における決意表明の大任の命を受けましたのも、まさに5月17日のことでありました。不可思議なる妙縁を感じると共に、お浄土にまします歴代の住職・門徒総代方の冥加を感じずにはいられません。
この感動冷めやらぬ本日より、それぞれのお寺に戻ってご門徒と共に仏法聴聞を務めとし、お念仏を慶び、心豊かな社会の実現に向けて一歩づつ着実に、歩みを進めてまいることを仏祖の御前にてお誓い申し上げ、住職就任の決意表明とさせていただきます。
第137回 住職補任式受式者代表
大阪教区天野南組 真光寺住職 木村 世雄

7
コメントは新しいものから表示されます。
コメント本文中とURL欄にURLを記入すると、自動的にリンクされます。