日産のカルロス・ゴーン会長が金融商品取引法違反(?)の容疑で逮捕されたようです。素人なので詳細は不明ですが、日産から受け取った報酬について、虚偽の額を記載した、ということのようですが、ある意味ではこの程度の容疑で逮捕されるというのもいささか不思議に思えます。最も、日産の社内において、ゴーン氏はワンマンという形で取締役会を主導していたようだし、これまで日産の業務と無関係だった友人(らしいが?)を代表取締役に抜擢するなど、ある意味ではかなり強引なことをやっていたようにも見えることから、社内で反発があった可能性もあります。また、日産の発表によると、子会社を利用して自宅的な使い方をしている住宅などを購入したとか、会社のお金を私的に流用したとかとの話もあり、金融商品取引法違反だけの問題ではないような感じを受けます。
また、ゴーン会長の逮捕に関連して、日産の社長が子会社を利用した住宅購入などについてゴーン氏の責任を追及しているように見えるのも、かなり不思議な光景です。今回の問題はある意味では日産社内の権力闘争にも見え、独裁的な形の会社運営に対して反発が起こり、ゴーン会長の排除を図ったもののようにも見えますが、元々ゴーン氏は他人に厳しく自分に甘い人間だ、という評価もあるようです。それを示すものとして、日産の販売台数の目標や収益などの目標について、達成出来なくても自分の責任とすることもないにも関わらず、部下が目標を達成できなかった場合、厳しく責任を追及する、との話もあるようです。ゴーン氏が日産に来て19年ということですが、その間に日産の業績は大幅に改善したことから驕りが発生し、自分の思うがままにやるようになった、との評価もあるようです。
日本での経営者に対する報酬額は世界的に見ると少ないという話もあり、株主から報酬額について追及されるため、報酬額を少なく表示した、という気持ちは分からないでもありませんが、しかし、報酬額などを自分だけで決めていた、などと言う話は日本を代表するような会社では、あってはならないことでしょう。それにしても年間の報酬が50億とか100億とか言う話ですが、それだけ貰っていながら会社の金で自分が使う住宅などを購入させるというのも欲張りな話です。日本を代表する経営者(?)としてソフトバンクGの孫会長がいますが、彼の報酬はおそらく10億円以下でしょう。最も、ソフトバンクGなどの株式があることから、その配当金などが年間100億円程度以上はあるはずなので、一般的な報酬など、必要ないのかもしれませんが、ゴーン会長のやり方と比較すると、明確な差があります。もしかしたらこの辺は、起業家と単なる経営者の差ということかもしれませんが、日本を代表するような会社において、ワンマン的な運営がまかり通っている、というのもお粗末な話です。

0