去年の秋頃から老後の生活資金についての話題があり、老後の資金として2000万円ほどが必要との試算などが出されたことから、財務省からのクレームなどもありました。自分としては実際に老後の生活をしていることから、老後の問題について、少し考察してみました。老後の問題として1つは何時まで働くかということですが、現在は定年が60歳から65歳になりつつあるようですが、どの程度の人が適用されるのかという問題もあります。会社が拡大傾向にある時代であれば別として、現在は古い業務から新しい業務への変更など珍しくもなく、業績が上がらない事業などは売却されることも多く、当然の結果として従業員も別会社への移動となります。おまけに業績が悪い事業においては、リストラという形で希望退職者の場集なども珍しくなく、定年が65歳になったからといって、65歳まで働ける保証はありません。また、当然のことながら40歳から50歳になればある程度のスキルがない限り、まともな就職先はありません。
現在は多くの人が60歳以降も働くという意欲はあるようですが、健康とともに自立できるだけのスキルがないとかなり厳しいだろうと見ています。また、自分の場合を振り返ってみても、60歳近くなると体力的な面でかなり厳しくなり、職場のPCでメールなどを読んでいても、朝の9時過ぎとか昼食後の13時過ぎなどは眠くなり、どうにもならなかった記憶があります。60歳以降も働く人が増えるということは、労災などが増加する可能性もありそうです。最も、65歳から70歳ころまで働くということは、通勤や移動のために動くこととなり、ある意味では自律的な形で動けるということで、介護や医療などの世話になる人が少なくなるのかもしれません。しかし、近所の同世代の人たちを見ていると、70歳過ぎると外出しなくなるような傾向にあり、体力や気力がなくなっているのだろうと思ってしまいます。
話題になっている老後の資金ですが、65歳から老後と考えて、25年ほど生きる予定とすれば、もしかしたら2000万円ほどでは不足するのかもしれません。生活費の不足だけを考えれば、この程度の額で足りるのかもしれませんが、家の修理費などの予備費的な費用も必要であり、これらを考えると2500万円ほどであればある程度は大丈夫のような気もします。但し、毎月の費用をしっかり管理する必要がありますが、これらのことが出来ていないと必要な資金額など算出出来るわけもありません。どんぶり勘定的に年金が振り込まれるのを待ち、預金から生活費を下ろし、使ってしまうような生活であれば考えるだけ無駄、という気もします。老後の資金として準備し、老後になったらその資金を流用して生活するという考え方もわかりますが、年齢とともに資金は減少するはずですが、減少する資金を見ながら生活した場合、不安にならないのかも気になるところです。

0