退任が1月20日に迫ったアメリカのトランプ大統領ですが、下院議会で2度目の弾劾訴追が決議されたようです。今回の決議は連邦議会議事堂への暴徒(トランプ大統領の支持者らしい?)が乱入したことに対して、トランプ大統領がこれを扇動した、というもののようで、現在の野党である民主党議員のほかに与党である共和党の議員が10人も賛成した、とのことで、1回目の弾劾訴追と幾分異なるようです。今回の議事堂への乱入などのように、どちらかというと暴力的な傾向にある(ように見えるが?)共和党支持者ですが、民主党のバイデン氏が大統領に就任する20日に、武装集団が全米で抗議活動をする、との情報もあるようです。トランプ大統領だった4年間を振り返ってみると、元々暴力行為も辞さない共和党支持者に対して、トランプ大統領をこれをあおった、という感じも受けますが、トランプ氏が大統領ではなくなることから国民への影響力はかなり落ちると思われるため、それなりに落ち着くのかもしれません。
しかし、民主党と共和党の2大政党政治のアメリカにしても、2度も弾劾訴追を受けた大統領というのは初めてのようで、ある意味では歴史に残る大統領でしょう。今回の議事堂乱入に対し、トランプ大統領がそれをあおったということで、イギリスやドイツ、フランスの首相などがトランプ大統領を非難していましたが、日本政府は全くのだんまりです。イギリスのジョンソン首相がイギリスは国民が政治的に熟成(?)しているから、アメリカのようなことは起こらない、的なことを述べていましたが、ある意味ではアメリカに対する皮肉みたいなものです。中国の首脳が今回の騒動に関連し、アメリカは香港の騒動に対する中国の処置を非難する資格はない、的な発言もあり、中国の香港に対する処置や、人権に対する処置などについて、アメリカが非難した場合、今回の問題を元に反論されるのは間違いないことでしょう。
流石に2度目の弾劾訴追に対してトランプ大統領も幾分反省の傾向はあるものの、形だけなのか喉元過ぎれば、ということで、反省のポーズだけという感じがしないでもありません。しかし、ある意味ではトランプ大統領というのはカリスマがあるのでしょう。Qアノンとかの集団が述べている(らしいが?)世界的に陰謀があり、トランプ大統領がそれを防止するために戦っている、などと言う話は、どう考えても小学生低学年向けのアニメレベルのストーリーで、それを大人が信じている、というのも呆れる話です。今回の大統領選挙についても、トランプ支持者にとって、証拠があるかどうかは別として、トランプ大統領が不正があったと言っているから不正があったはず、という感じで、トランプ大統領が全て、という感じです。おまけに今回の乱入についても共和党支持者の6割は民主党に責任があると考えている、との調査結果もあり、アメリカという国がまともとはとても思えません。

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