よくある「いきなり芝居の本番前で何も準備してなくて焦る」といった役者ならかならず一度は観る悪夢だった(私は一回どころじゃないが…)。
しかし、演目は吉村八月氏のふたり芝居「Don’t you cry my DOG」。吉村氏は過去三回この演目を上演しており、私は内二回に出演している(これは現実の話)。つまり(夢の中では)三度目ということで「何とかなる」と思い直し、比較的落ち着いて本番に望む。
会場はどこかの森林公園(そういえば過去二回も野外公演だった。現実の話)。
サラリーマンルックに着替え(ネクタイを締めるのが間に合わず上着のポケットにつっこむ)、スーツケースを持っていざ登場。
しかし、会場は切り立った崖の上に面していた。私は入場の時、通行人のおばちゃんが邪魔でわき道にそれたのだが、軌道を戻すより先にその道はどんどん崖の下に向かって行く。
やばいと思ったら会場ははるか上。
私はスーツケースを持ったまま必死で絶壁を登り始める。岩にはコケや草が生えておりそれが妙に湿っていて登りづらい。足を滑らさないよう細心の注意を払いながらやっとの思いで登りきると…。
目が覚めてしまった。
こういう夢見た後ってちょっとほっとしません?
何でもこういう夢は現実の生活で何か新しいことに挑戦しようとしている時、精神を安定させるために見る夢だという。人によっては学校の試験だったりするようだが、役者モノにとっては絶対「本番の夢」だろう。
私も今新しいことに挑戦している…そう殺陣だ!
木刀の振り過ぎで腕と肩を痛めている。
今日も稽古だ。身体はきついが「いきなり本番」があるわけじゃなし、安心してあと三ヶ月、頑張ろうっと!

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