すったもんだの末ようやく叔母さんのペースから開放されて、ようやく三人だけのフリータイム。
ウェスト・ハリウッドでまず入ったのはおもちゃ屋だった。
なぜおもちゃ屋に入ったんだっけ?多分ハロウィンの前日だったので盛り上がってるかなとおもったのだ。
日本の玩具屋と同じ、ゲームやプラモやぬいぐるみといった品揃えが大半を占めていたが明らかにコチラにしか絶対無いコーナーがひとつだけあった。
上の写真を何だと思いますか?
巨大な冷蔵庫に精肉パックのようなものが沢山詰まっているが、中身は全部切断された人間の手足、首、内臓、脳みそ、目玉なのである。これはあまりにも悪趣味極まりない!作りがけっこうリアルで生々しくて気持ち悪くなってしまった。
たぶん今見て気分を悪くされている方も多いのではないだろうか?
アメリカ人はこういうのが好きなのだな。ホラー映画でもアメリカ製のやつはストーリーは大して怖くもないのに惨殺シーンだけがやたらエグくてリアルなものが多い。スプラッターはアメリカ独自の文化なのではないか?
かと言ってアメリカ人がこういうものをニコニコ喜んで見ているのかというと実はそうではない。このコーナーの前を通りかかる人々の反応を見ていたが、大抵は顔を歪めて「オ〜!」「ゲ〜!」「ウゲ〜!」とか悲鳴を上げる。しかし、気持ち悪がって今にも吐きそうな顔をしながらも、目を離さずに仲間と騒いでいる。
アメリカ人にとっては「気持ち悪い」という感情もカタルシスのひとつなのではないか?日本人の娯楽の要素として「笑い」とか「スリル」とか「感動」とかせいぜい「怖い」とかがあるが、アメリカ人にとってはここに「気持ち悪い」というのも加わるのだ。
もっと言ってしまえば「吐くこと」が楽しいのだ。
アメリカ人は日本人と比べるとよく吐く。これはこの後にある映画を観て実感したのだが、あまり「吐く」という好意に抵抗感がないのではないか?逆に吐くとすっきりするとか快感を覚えているふしがあるのではないか?
日本人は「吐く」ということに抵抗感が強い。だからなかなか「気持ち悪い→吐く=気持ち良い」とはなりづらいのではないか?
だから上の写真のような物を見せられてもこれを娯楽としては消化できない。
というわけで我々三人はただ気分を悪くしたままおもちゃ屋を出た。

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