車を運転するようになってこの日本に人間の生き血を吸う断頭台があることを知った。それは首都高である。
道幅が狭い。急カーブが異様に多い。そして、皆気が狂ったかのように飛ばしている。
首都高を走っていると一瞬たりとも生きた心地がしない。いつ死んでもまったく不思議じゃない。走馬灯のように子供の頃のことを思い出し、人生でまだやり遂げていないことに想いを馳せてしまう。
鉄の塊の中で血まみれになっている自分の姿がありありと浮かんでくる。
免許を取って6年になるが、つい最近までまったくのペーパー・ドライバーだったので今の所初心者マークをつけて運転している。いづれは外したいとは思っているが、首都高を走るときだけはこの命が燃え尽きるその日まで初心者マークをつけていたいと思っている。

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