目を患ってから早や二週間が経とうとしている。
今日は眼科に再検診に行った。経過を診てもらって視力検査もやった。
日常生活を送る分には問題ないのだが、新聞や細かい字を読むとすぐに疲れてしまうという話をしたら、まだピントを微調整する機能が回復していないためだとか。
それで話が終わればよかったのだが、医師は他に「疲れていたりビタミンが不足していると細かい文字などが読み難くなる」とした上で、「あなたのお母様もそうなんです」といきなり言われた。
何でいきなり母親の話になるのか?
医師が言うには「先日あなたの病状を心配されたお母様がいらっしゃいました。ただお母様はあなたのお仕事などについてよく解っていらっしゃらないようでしたのであなたから説明してあげて下さい。また疲れが取れ難い場合はビタミン剤を取ることが効果的なのでお母様にも薦めてみて下さい」と言って、ビタミン剤の紹介を延々とされた。
私はただ言われるままにはいはいと聞いていたが、事情はさっぱり解らなかった。
帰ってから母親に眼科に行ったのかと尋ねてみた。
すると母親は不思議そうな顔をして、
「え?…何で私が眼科なんか行くのよ?」
何と、私の母親は眼科に息子の病状を尋ねになんか行っていなかった。
そもそもそういうタイプではないので、おかしいとは思っていたのだ。それどころか母親は生まれてこの方一度も眼科になんか行ったことはないそうだ。もちろん私を診た医師が母親の病状を知っているなどということはまったく在り得ない。
あの医師は一体何の話をしていたのか?一体誰のことを心配していたのだろう?

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