十ウン年ぶりに恋愛映画の古典「ひまわり」を観る。
学生の時に観た時はあまり好きになれなかったのだ。とにかく映画の冒頭のソフィア・ローレンとマストロヤンニのイチャイチャぶりが強烈で最初から引いてしまった。戦争で離れ離れになってからもローレンはひたすら激昂しているし、マストロヤンニは簡単に余所で家庭を作ってしまうし、全体的にワーワーギャーギャーしていて全然感情移入できなかった。今観るとそれも「イタリア人だからしょうがない」ということが解るし、大人になって改めて観ると結構グっとくる映画だった。
映像がとても力強くて美しくて、えげつないイタリア庶民の話なのに妙に格調高い。イタリアの太陽とシベリアの八寒地獄の対比も良い。さらにはそれが広大なひまわり畑と無数の兵士の墓というメタファーともなっている。こういう良さはある程度の年にならないと解らないのかもしれない。
飛び切り臭いブルーチーズをつまみに年代モノのワインを嗜む感覚。子供には解らない。

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