六月に入ってから池袋演劇祭参加作品である鈴木一功さんの一人芝居「友情〜ある半チョッパリとの四十五年」を観に行った。良かった。
付き合いで演劇を観に行ってあまり面白いと思うことは少ないし、自分も同じ作り手なので中々素直に好きとは思えない場合が多いのだが、この芝居は(つまり一功さんの演技は)素直に良かった、と思えた。
物語は西部邁の著書を原作としていて、学生時代からの親友だったある在日朝鮮人のヤクザとの45年に渡る交流を描いたもので、前半は西部に扮した一功さんが彼について語り、後半はそのヤクザに扮して自らの出自について語るという構成。
一功さんの芝居は辛気臭くないのがいい。理屈ではなくハートに訴えてくる。こういう演技をする人だとは思わなかった、正直…。
とにかくこの芝居を観て、一功さんに興味を持った私は、レクラム舎に参加してみようかなと思うようになった。

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