三月に入った。
突然のブログ復活である。
リアルタイムの記述としては、2009年夏以来だから一年九ヶ月ぶりだ。
ここまで記述が滞ってしまったひとつの原因は、インターネット環境のトラブルだ。2009年夏くらいから、私が使っていたPCが「インターネットは見れるけど、メールの送信やログインなど一歩踏み込んだアクセスができない」というよく解らない状態に、いつの間にかなってしまっていたのだ。このため、ブログの投稿画面に入ることできずにいた。もともと、IT関係に疎い私は原因も解らず、直すこともできず半年、一年と経ってしまった。
2010春、父親が現役引退後に始めた造形作家活動の個展が浜松の静岡文化芸術大学で開かれ、その管理を任されて一ヶ月程現地で過ごした。その現場で父親が現役時代使っていた(実際には父はPCのことはほとんど解らないのだが)ノートを使うようになったのだが、そのまま東京に帰ってからも「父の活動サイトを管理する」という名目でそのノートを勝手に自室のケーブルに繋いでしまった。実際、父親は無線LANのノートを別に持っていて、ケーブルに繋がないとネットが見れないこのノートは私の自室以外ではほとんど存在意味がないのだ(もちろん、父はそんな理屈も理解していなかった。宝の持ち腐れである)。
とまぁ、このようなわけで再び正常なネット環境に戻ったわけだが、去年は子供が生まれたり色々実生活の環境も変わったので、中々ゆっくりブログを開く余裕もなかなかなかった。ばたばたとしてるうちに年が明けた。
2011年。
ところで私は、2005年の立ち上げ以来、三月にブログを復旧しているパターンが多いような気がする。
私は冬が苦手だ。寒いのが苦手というより、生きることへの総合的なエネルギーが減少するのだ。特に一月〜二月、この時期に仕事が入っていると大抵うまくいかない。しかも、そういう時に限って厳しい仕事が入ってしまう。どんな不得意な分野の仕事でもほかの時期なら前向きパワーで押し切ることができる。でもこの時期だけは駄目だ。ちょっとでもつまずくとすぐに鬱に入ってしまう。
特に去年、2010年の冬は最悪だった。私は失業状態が続いていた。子供が生まれるまでに出産費用を稼がなければならないのに、仕事がない。貯蓄も生活費すらない。芝居どころではなく、出演オファーも全て断った。なのに、仕事がない。大不況でいつの間にか世の中の雇用環境ががらりと変わったことに、今更ながら思い知らされた。
また、去年は雨ばかり降るやけに寒い冬だった。
明日への希望がまったく見えず、夫婦喧嘩も絶えず、どうしたらいいのか皆目見当もつかなかった。子供が生まれるというのに、不安で、それを乗り切るパワーさえまったくなかった。毎日がモノクロームのように真っ暗だった。人生という名の刑務所に囚われているというような感覚だった。
光が見え始めたのは、やはり三月に入ってから。先の父親の仕事を手伝うことになってようやく、袋小路からは這い上がることができた。その後も短期の仕事が連続して決まり、娘も無事生まれ、翌年には舞台の予定も入った。
去年に比べたら今年はだいぶマシだ。定期の仕事も決まった。五月の舞台の稽古にも入った。しかも、座組みもよくて楽しい。娘も順調に育っている。
しかし、風邪をこじらせてしまった。ずっと堰が止まらず、今は胸が筋肉痛で痛く、生活にも支障が出始めている。
やはり、この一〜二月を無傷で通すのは無理なのか?
しかし、毎回思うのだが、だからこそ、三月に入るとその呪縛から一気に開放されたような晴れやかな気分になるのだ。
そんなわけで、三月になるとふっと、ブログを再開したくなるのだろう。

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