野坂尚也くんのブログに「テキサス・チェンソー」のことが書いてあった。この映画を私は見ていないがオリジナルの「悪魔のいけにえ」は完璧な映画です。黒澤明は「映画は時間の芸術である」と言ったけど「悪魔のいけにえ」の時間構成は極めて無駄がない。つまりだれるところなく観客を90分間恐怖という時間軸に縛り付けておけるわけだ。しかもラストに向かうにしたがってもはや恐怖を通り越して笑える境地にまで至り、ラストの朝日のシーンに至っては感動さえこみ上げてくる。こんなに怖いのにこんなに爽やかな気持ちになれる映画を私は他に知らない。私はこの映画リバイバル上映で観たのだがこれは絶対映画館で観た方がいい。
「ドーン・オブ・ザ・デッド」は観た。最近のホラー映画はずいぶんスタイリッシュになったものだと感心した。しかし、やはりオリジナルの「ゾンビ」の方が大名作。もちろん「ドーン〜」に比べたらチャチいしダサいが骨太な人間ドラマがある。主役四人の戦う気概が違う。本当にカッコイイ映画だった(この映画もラストは朝日だ)。
私の周りでホラー映画は小中の頃、大ブームだった。映画といえばホラー映画かジャッキー・チェンだった。「13金」や「エルム街」などのシリーズものから「バタリアン」「死霊のはらわた」などのちょっとコメディ調のものまで皆で観ていた。中2の時、宮崎勤の幼女誘拐殺人があり「ホラー映画は子供に残虐性を植え付けるものだ」という今では笑っちゃうような意見が主流となり、「ホラーが好き」とは大っぴらには言えないムードになってしまった。
本当にホラーは子供に悪影響を及ぼしていたのだろうか?子供とはもともと残虐な部分があるからこそ、ホラーが大好きなのではないか?
私は子供の頃ウルトラマンが好きだったが持っていたのは怪獣の人形ばかりだったような気がする。

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