由良のキダリス(5)
この見事なドーナツ状の円形のものは一体なんだろう。実はこれもキダリスの棘だったのです。はじめ円の中心の白い部分がキダリスの棘ではないかと思っていました。しかし、これは真ん中で切断されたキダリスの棘で、白い部分は空洞になっていたところに、いろいろな生物の殻が入り込んで集まってできたらしく面白い模様になっているのです。外側の円の直径は1.5cmありました。
空洞があると衝撃に強くて、しかも軽くてたくさんの棘を背負う上でウニにとっても有利です。こう推察すると、どの棘も中は空洞になっていると考えてよいのだろうか。

この礫に含まれているキダリスも空洞が埋められています
どのようにウニ本体に棘が付いていたのかがよく分かり理解しやすいように、図鑑に次の二種類のキダリスが紹介されていましたので載せておきます。

「原色化石図鑑」保育社より
右側は「ドングリキダリス」ではないかと思われます。これから伸びようとする棘もあれば、成長を終えた棘などが見られることから、大きさや形がいろいろあることが分かります。「ドングリキダリス」は、小笠原島沖に現生しているといわれています。
これからの課題は、ウニの本体の化石を見つけることができるかです。

0