橄欖石(カンランセキ)
甲子園のカンランセキではありません。遊園地のかんらんしゃでもありません。難しい漢字・橄欖石のカンランセキです。「橄欖」はオリーブのことで、オリーブいろをしているということでしょう。橄欖石の美しいもの(黄緑色で透明なもの)がぺリドットという宝石・誕生石になるそうです。ぺリドットは8月の誕生石だそうです。
過去に取り上げた「安山岩・浅間山の溶岩」のぺージのところで、火成岩の種類とその主な造岩鉱物の関係を示す「表」をのせていますが、火成岩をつくる主な造岩鉱物は、白っぽい無色鉱物と黒ないし濃緑色の有色鉱物の2つのグループに分けられます。無色鉱物は石英、カリ長石(正長石)、斜長石です。有色鉱物は黒雲母、角閃石、輝石、橄欖(かんらん)石です。(したがって石ころはこの7種類の鉱物の組み合わせによってできているのです。)
主な造岩鉱物のひとつとして名前だけに親しんできた橄欖石に、はやく出会いたいなーとずっと思っていたのですが、やっと手に入りました。ふつうはガラス光沢のある黄緑色の粒や短柱状結晶で産出するそうです。特に玄武岩の斑晶として多くみられるようです。
橄欖岩は、ほとんどこの橄欖石からできた深成岩で、ずっしりと重く結晶も大きいものが多いようです。少量の輝石や斜長石を含む物もあるそうです。蛇紋岩に換わっていることが多く、地球内部のマントルをつくる岩石と考えられています。
写真の橄欖石は、玄武岩の斑晶としてではなく粒の結晶としてくっ付いているのです。これは玄武岩のなかの空洞に結晶として産出したのだろうか、それとも玄武岩マグマがマントル上部のかんらん岩を取り込んできて粒状集合の塊として産出したのだろうか、どのようにして生まれたのか知りたいものです。
橄欖石の化学組成は、(Mg,Fe)2SiO4で、苦土かんらん石(MgSiO4)と鉄かんらん石(FeSiO4)の固容体であるといわれます。
※ 固容体→結晶の構造はそのままで、そのなかの原子のあるものが別の原子に置き換わっているもの
橄欖岩の採石場は、日本で2ヶ所だけで、日高町岩内岳と様似町のアポイ岳だそうです。非常に深い断層で出来た日高山脈にそって、深いところの橄欖岩がみえているのでしょう。

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