徳島県・石積みの里
高開さんと石積み取材のレポーターとアナウンサーの皆さん
昼にテレビのスイッチを入れると、山の斜面に見事な石垣が映し出されていました。そして、山を切り開いて石を積んで田畑をつくり、そこに生きる人々の営みを放映していました。なんとその石は、緑色片岩(青石)でした。一体ここはどこだろう?和歌山の山だろうか、と見ていると徳島の吉野川市の美郷という地区でした。かなりの山奥です。急いでデジカメでテレビ画面を写しました。
この郷の石積みは300〜400年前から伝えられてきたものと言われていました。現在、高開(たかがい)さんという方が石積みの技術を継承されており、土木工学科の若い学生さんが二人、実習という形で学びに来ていました。
きびしい山の斜面を開墾して石積みの技術で田畑が生まれ、そこで栽培されてきた蕎麦(そば)などの料理が紹介され、人々の生きる努力と知恵が素朴に描かれていました。
石はどこから取り出されているのかという話はありませんでしたが、丸い石がなく角ばったものばかりだから、おそらく山から割り出されて産出しているのだと思われます。
この石積みの石垣は、徳島の吉野川と紀ノ川を結ぶ線(中央構造線)の南側の変成岩の帯、三波川帯に対応する緑色片岩です。紀ノ川、和歌山城、雑賀崎の緑色片岩と紀伊水道を隔てていますが同じ性質の緑色片岩です。親しみ深く画面の石垣を眺めました。
あとで地図で美郷の位置を調べてみると、「三郷のホタルおよびその発生地」という表示が2箇所に見られました。きっと水も美しいところなのでしょう。
みごとな緑色片岩の石垣

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