室生火山岩
一面のススキの曽爾高原 手前に地すべりで出来たといわれる小さな湿原の「お亀池」
昨日(7日)、中紀バスの日帰りバスツアーで曽爾高原と赤目四十八滝に行ってきました。
曽爾(そに)高原は、ススキのパノラマ高原でした。
国立曽爾青少年自然の家(720m)から亀山峠に登り、稜線を歩いて亀山(849m)に、そこでお弁当を食べてお亀茶屋に降りてきました。そしてお亀池(湿原)のそばを通って白銀のススキの原をくぐって自然の家のところに戻りました。わずか約150mの高低差をあるいただけなのです。約二時間の行程です。
稜線に転がっている岩石 雲母がキラキラ光っているのですが全面光ってしまいました
ススキの高原を歩きながら足下の土を見るとキラキラと小さな粒が光っています。あの葛城山で見た黒雲母が風化して金色に輝く粒を思い浮かべました。
稜線にそって歩いていくと岩石が転がっていて確かめてみるとやはり黒雲母が光っていました。写真に撮りましたが石の面が光ってしまって黒雲母の粒の光が写っていませんでした。
左端に「屏風岩」手前に兜岳、鎧岳。 室生火山岩の山々。高原の右端に自然の家
稜線から西の風景を見ると、何年か前に行った屏風岩が見えます。そして手前に兜岳、鎧岳などが並んで見えます。
バスの窓から見る、香落渓の紅葉と白い岩石の織り成す美しい風景
白い柱を並べたような見事な柱状節理(少しピンボケました)
バスは紅葉の始まった美しい香落渓をくねくねとたどっていきました。柱状節理の見事な岩が白く輝き、紅葉と響きあって絢爛たる風景を描いていました。「ここも綺麗なところだなー」とみんなを感動させながら、ひとまず名張に出てそして赤目四十八滝にむかいました。
赤目の渓谷には、大きな岩石がごろごろ。中でも大きい八畳岩。
赤目四十八滝では、この渓谷を全部登りきって帰ってくるには四時間かかるので、途中の布引の滝(約三分の一の行程)まで行って引き返しました。香落渓と隣り合わせにあるのに、まだ紅葉は進んでいませんでした。大きな岩が渓谷にゴロゴロ転がっていて美しい水がその隙間を縫って流れていました。魚の泳ぐ姿も見え、サンショウウオが生きる渓流に相応しい水の流れでした。
布引の滝(デジカメの電気不足、ちょっと暗くなったなー)
こうした奇岩や渓谷を造り出している室生火山岩は、約1500万年前、火山の噴出物が堆積してできた柱状節理の発達した溶結凝灰岩であるといわれています。それが浸食され見事な奇岩や渓谷を生み、雄大な自然の造形美を見せているのです。
1500万年前ごろといえば、紀伊半島では熊野酸性火成岩類、潮岬火成複合岩類の噴出、あの橋杭岩や古座川の一枚岩などを思い浮かべますが、これらと連動して室生一体にマグマの動きがあったのかもしれません。
赤目四十八滝では三時間の余裕があったので、バスを留めた近くのホテルの温泉にゆったりとつかり、紀伊半島の姿を思い浮かべながら足の疲れをとりました。

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