白崎海岸の石ころ(2)
石炭が黒いダイヤなら石灰岩は白いダイヤです。セメントの原料、農業用肥料、建築材、化学工業用、・・・などに広く利用されています。製鉄所での鉄鉱石を還元するための材料としても有効といわれています。
しかし、子どもたちと住金の製鉄所を何度か見学しましたが、そこでは石灰石は不純物を取り除くために使われているそうです。
日本の石灰岩は、サンゴ礁を起源とする炭酸カルシウムの純度の高いもので、サンゴはいうまでもなく、石灰質の殻をもつフズリナ(紡錘虫)、ウミユリ、有孔虫、貝類、などの化石から成り立っています。
白崎海岸は、前にも(大滝ダム下で採取した石灰岩)触れましたが、3億5000万年から2億5000万年前の地層で秩父帯に属しています。約3億年前、赤道近くの陸から遠く離れた浅い海の中にできた玄武岩の山(海山)の周りにサンゴ礁が発達しました。今でいうとビキニ環礁などを思い起こしてください。その太平洋の環礁(アトール)が岩石化してプレートに乗って付加されて出来上がってきたと考えられているのです。したがって陸から供給されるさまざまな不純物はなく、純度の高い石灰岩といえるのです。
そのような自然の営み、地質の歴史を想像しますと、この美しい白崎海岸の石ころや風景はいっそう趣をましてきます。
太平洋の環礁が岩石化 白崎海岸の石ころ

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