紀ノ川の石ころ(8) 『礫(れき)岩』
2mmより大きい粒の石を「れき」といいいます。「れき」の含まれる割合が全体の50%以上のものを礫岩といいます。紀ノ川にもいろいろな礫岩が見られますが、礫岩を見ていつも悩むのは、これはナチュラルな礫岩なのか、単なるコンクリートの一部なのか、区別がつかない物が多いのです。現に、護岸工事などで古いコンクリートの破片が転がり込んでいます。一部分が砂岩で、そこに礫岩をくっついたような石ころを何度か見つけました。「石ころ混じりの層に砂の層が重なって固まったらこんな石になるなあ」「でも、人工的な感じが強いな」と半信半疑でした.ところが、根来寺の上の和泉山脈の削られた山肌で、そのような砂岩と礫岩がくっついた岩を見つけました。山全体がほとんどが砂岩と泥岩しか見られない中で、ほんとに一部の場所で礫岩を見つけたのです。そのかけらを拾ってきていますが、それを見るにつけ紀ノ川で見た礫岩はナチュラルなものであるという確信をもてるようになりました。

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