コスタリカの石ころ
最近頓にコスタリカの石を拾いに行きたいと思うようになりました。そして、コスタリカの美味しいコーヒーを味わって、カリブ海か太平洋かどちらでもいいんですが、ゆったりと寝そべって夢でもみたいものだな-と考えるようになりました。
コスタリカは、1502年に4回目の大西洋横断航海でコロンブスによって発見され征服・殖民地化が進められていったそうです。
北にニカラグア、南にパナマに挟まれた、面積51000平方キロメートル(四国と九州を合わせた)ほどの中米の小さな国です。
世界に、戦力不保持を明記した平和憲法を持つ国が、このコスタリカ共和国と日本なのです。コスタリカは、憲法12条で、自衛権を含め、国防のための再軍備は否定していないけれど、「恒久的制度としての軍隊は廃止する」とうたっています。
1949年に「兵隊の数だけ教師と法律家をつくろう」「トラクターは戦車より役に立つ」「兵舎を博物館にしよう、銃を捨てて本にもちかえよう」「トラクターはバイオリンへの道をひらく」とのキャッチフレーズのもとに軍隊が放棄されました。そして、軍事予算をすべて教育と福祉・医療に充てられているというのです。
常に「対話」で紛争を解決し、人権を重視し、差異を認めながら「対話」を続ける、こうして民主主義を維持して平和の実現を可能にしてきたのです。今では、「石を投げれば先生か弁護士に当たってしまう」そうです。ああ、その石を拾って展示しておきたい、そして「平和や民主主義は守るものでなく創るもの」ということについて考えたいと思っています。コスタリカでは、自国の歴史を教え、学ぶことが、そのままで平和教育になるといわれる意味が良く分かります。
ところが日本では、同じような時期に生まれた平和憲法が、コスタリカと対照的な道を歩んできました。常にその解釈によって蔑ろにされてきたように思います。そして、いよいよ平和憲法を変え戦争のできる国にしようとしているようです。そのためにまず、教育基本法を変えようとしています。
軍事費を教育や福祉・医療などにまわすことができれば、どんなに平和で豊かな人間らしい生活がおくれることか、誰もが頭の中に実現する事柄をたくさん想像できることでしょう。 私たちが現実的でない夢の話としてしまうことを、コスタリカは実現しているのです。
世界の国々で、力によらない平和の希求、軍隊を捨てた平和の実現の実験が引き継がれていけば、戦争の悲劇が少しでも減少する方向に向かいます。コスタリカの密林にある丸い石を写真でみましたが、世界平和のシンボルになっていると説明されていました。みんなの力で転がしていきたいものです。

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