ヒマラヤのアンモナイト
ヒマラヤから転がり出た石ころ
アンモナイトの化石が!!
4月のはじめに大阪天満橋のOMMビルに電話して、岩石や宝石などの展示即売会の日程を確かめて、カレンダーにマークしていました。今年は、4月29日30日、5月1日の3日間、「石ふしぎ大発見展」がありました。鉱物、化石、宝石、銘石などの展示、即売のショーです。毎年このショーが開かれているということを聞いていたのですが、足を運んだのは初めてです。
アンモナイトが欲しかったことと、いろいろな岩石の実物を見て目を肥やそうと思っていたので29日と5月1日の二日間通いました。広い会場にたくさんの店が並び、何度もぐるぐる見て回って展示されている品物をよく確かめ、比較して、衝動買いをしないように心がけました。長時間にわたって品定めをしたり、いろいろと話を聞いたりして疲れましたが、とても見る目が育ったように思いました。また、側壁のパネルに京阪奈の石の説明や写真が展示されていて、それを見て学習したりもしました。時には、廊下のベンチで身体を休めたり、頭を冷やしたり、自分でも感心するほどねばりました 結局、北海道産のアンモナイト、ヒマラヤのアンモナイト、三葉虫、カニの化石、ミャンマー産のヒスイの原石、孔雀石、黄鉄鉱、などを買ってしまいました。いくつか紹介しておきます。
一番うれしかったのは、ヒマラヤのアンモナイトに出会えたことです。ネパールのヒマラヤへのトレッキングに行った人たちが、お土産に買ってくるといわれる二つに割れた石です。ヒマラヤ山脈の中央部を南北に流れるカリガンダ河上流などで、現地の人たちが化石を含む石を拾い、それを火に入れて焼き、いっきに水につけて割ると中にアンモナイトが顔を出すという方法で採集しているといわれています。それをチベット商人がお土産のひとつとして売りつけに来るらしいのです。街の店でも売られているといわれています。しかし、だんだん少なくなっているとも言われ、また、持ち出し禁止になっているという情報もあります。
このヒマラヤのアンモナイトが、即売会のひとつの店の机の下の小さな紙箱のなかに無造作に置かれていたのです。何個分かが、二つに割れてごちゃ混ぜに入れられているので、アンモナイトの形の良さそうなのを、パズル合わせのようにして見つけ2セット(二個分)買いました。外人さんの店でしたが、割れた石の片方を探すのに手伝ってくれました。ちょうど那智黒の石ころのように真っ黒で、片手に包み込めるほどの大きさです。二個で4千円でしたが、「3千円ね!!」と値切ると、「OK!!」とすぐに決まりました。
約3億年まえからのテーチス海の海底の堆積物が、ゴンドワナ大陸から分離したインド大陸の北進によって圧縮し、約6千万年前ごろから褶曲・衝上の結果、世界最高のヒマラヤ山脈に成長したと考えられています。この運動はいまもなお続いているのです。
保育社の原色岩石図鑑の一番初めに、1970年5月17日、日本エベレスト隊の植村直己氏がエベレスト山頂で採取した「砂質石灰岩」が標本として記されています。何も知らなかった私は「なんで、世界の屋根といわれるヒマラヤに石灰岩があるのだ!!」という驚きで石ころに関心を持つきっかけの一つになりました。
いま、ヒマラヤのアンモナイトを包み込む黒い石ころを見つめながら地球のダイナミックな姿を想像しています。
「割れた石ころの中からアンモナイトが!!」

0