記事タイトルに10選と入れてスマートに10作品挙げる、
というのには大変憧れますが、どうも無理なんですよね……
投票企画とかで選ぶと、いつも何で自分はこれを入れなかったんだ…こんなに面白い作品なのに…と後で思う確率100%
しかし今回は選んでみました。
順位を付けろと言われたら悶え死ぬので順不同。
自分の感じた面白さの絶対値というより趣味色が強くなってるかもですね……
あと一部の作品で枠が固定化している問題に自分なりに対応しました。
殿堂入り
・「バッカーノ!1932-Summer man in the killer」(成田良悟)
アニメDVD特典小説の前半の文庫化。
以前にも書きましたが、アニメ化された1930〜1932年のエピソードの
後日談として完璧だと思うんです。特典小説に持ってくるのがニクい。
(ただしアニメだけ見た人は一部意味不明かもしれませんが)
・「マリア様がみてる ステップ」(今野緒雪)
全く関係ないと見せかけて実は本編のあの人の……なお話。
言葉多くは語りませんが、バウンド……とか……細かい!
10選
・「アイドライジング!2」(広沢サカキ)
アイドル、それは最新技術を駆使したバトルスーツを纏いリングで戦う、美少女のこと!
日本の明日を左右する一大エンターテイメントと化した「アイドライジング」の
アイドルとなったモモが右も左も分からない状態から仲間と協力して奮闘する話。
実を言うと自分がこの作品の1巻を読んだ時はそれほど特別に好きというわけでもありませんでした。しかし、2巻。この2巻が超面白いと思った。
特に新人受賞作をシリーズ化する場合、2巻で話をどう転がすかが凄く大事だと思うのですが、この作品は本当にそこが上手い。と思う。1巻1巻盛り上がり所を作りつつ、しっかりシリーズものになってるんですよね……。
熱い展開! バディもの! オリンちゃん!
幕間のブログで殺されました。
・「成金」(三三珂)
下手したら、昨年のライトノベルで一番面白かったものとして推してしまいかねませんよ私はこれを。 メガミ文庫ってすごいものを出してきますね。
内容は最強を目指す男の話で、ヒロインがいきなり涎を撒き散らしながら襲ってくる戦闘狂という異質な話で、こんな要約にもなっていない要約で要素を抜き出してしまうと、何が面白いの?と思われてしまいそうで非常に不安なのですが……
これ超面白い。バトルのスピード感、熱さ、どれを取っても異質・異質・異質!
他のライトノベルではなかなか読めないんじゃないかな。
去年の「このライトノベルがすごい!」の男性キャラクター部門では主人公の千葉玄に投票しました
・「ブラッド・スパート」(六塚光)
幻狼ファンタジアノベルスから出した六塚先生の新作で、昨年末に3巻で完結しました。
ライトノベル10選に選びましたが少年向けライトノベルではない気もしますね。
その分、色々な制約から解き放たれている感もあり、面白かったです。
いや、美少女押しのライトノベルだって好きだし、こういうのばっか読みたいわけでもないんですが。六塚先生の魅力は十全に引き出されていたのではないかと感じます
主人公がオジサンで、たとえるならレンズと悪魔のクラヴリーが主役、というようなイメージでしょうか。馬鹿な事を言いながら仕事はこなす、信念は通す、あの感じ。
男がかっこいい小説のなんと素晴らしい事か。
内容としては「アルシナ」という煙草に似た草を吸うと煙でイメージしたものを実体化できる世界、元・戦争の英雄にして今は保険会社の調査員をやっているトロイがいつもの調査の中から事件に巻き込まれていく話です。
オススメ。
・「ソードアート・オンライン8 アーリー・アンド・レイト」(川原礫)
フルダイブ型のゲームを描いた作品、説明不要ですか。
自分は今この作品より面白いライトノベルってそうそう無いと思っていて、
下手したらこれも殿堂入りでいいんじゃないかってレベルで安定の面白さ。
アインクラッドの話はやっぱりいいですね。盛り上がります。
キリトの最強なんだけど、どこか身近に感じられる所とか、
本当に上手いと感じます。
・「僕の妹は漢字が読める」(かじいたかし)
発売前の試し読みが各所で話題になったこの作品。
試し読みを肴にしてライトノベル好きの飲み会で盛り上がったその時から既に愛してやみませんでしたが、実際に読んでみたら、出オチではなく普通に面白いし
予想外の展開あり、そして感動すらしましたよ。
漢字が使われなくなった23世紀の未来、小説家志望のイモセ・ギンが
頭が良くて「携帯小説全集」なんて古典も読めてしまう妹のクロハと一緒に
日本文学を代表する小説家オオダイラ・ガイ先生のもとを訪ねる所から始まる物語。
“義妹のオオダイラ”の描く新作「きらりん!おぱんちゅ おそらいろ」はまさに圧巻ですが、それ以外の妹の兄に対する愛、それが届くシーンとかほんといいです。
文体とかそうした外側は問題じゃないんだというニュアンスの事を言う主人公のセリフに、うんうんその通りだ、まさにこの作品の事ではないのか!?とか思ってた自分は、冷静に考えると既にヤバい未来に向かって進んでいるのだろうか……
・「オブザデッド・マニアックス」(大樹連司)
読み終わった後に「お嬢様のメイドくん」と同じ作者の人だったと気付きました。
大樹連司先生すごい。
この前、某氏が今一番熱い作家と言っていましたが、うなずけます。
いや自分まだあんまり作品数読んでないんだけどね!
今度ロケッティアとか買って来たいです。
ゾンビ映画好きがマジでゾンビ発生に巻き込まれる物語!
相変わらずの「えっ、そうなるの!?」な展開が素晴らしいです。
そういうの、大好きなんです。
・「狼と香辛料 XVI 太陽の金貨〈下〉」(支倉凍砂)
堂々の完結!
主人公が商人という最初のスタートからブレずに
最大限魅力を引き出してスリル溢れる商戦を書き続けた傑作ですね……
準備を怠らず、機会を逃さず、予想外のピンチが訪れてもそれをチャンスに変えていくというような、物理的な動きの派手さは無くとも熱さを持ってるし、ホロ可愛い、というか魅力的だし、うん、褒めるしかないね
終わるのは惜しいけど、その終わりもとても良くて拍手を送るしかない
・「丘ルトロジック2 江西陀梔のアウラ」(耳目口司)
「このライトノベルがすごい!2012」で上位だったから読んだら本当に面白かったでござるの巻。3巻まで一気に読みました。
自分がこの作品で魅力的だと思ったのは、何と言ってもそのキャラクターでしょうか。
前向きに生きるあまり、
上下移動が出来ず、無理矢理エレベーターに乗せられた時にはエレベーターの中に仰向けになって“前進”した
という出島先輩が格好良過ぎる!
なんかこの作品のキャラからは物凄く成田良悟臭を感じるのですが、こんな事を言ったら全然違うと両先生のファンから怒られてしまうでしょうか……?
それぞれの理由でオカルト研究会に集った一癖も二癖もある人物たちが巻き込まれる(起こす)事件の数々!
オススメ。
・「姉鬼あんりみてっど」(会川潮)
誰にもオススメできる傑作とかではない、とは思う。
しかしあえて言おう、皆、買って読んでみないか、と。
「あねきあんりみてっど」は桃太郎をモチーフに猿とか雉とか犬とかにあたる
登場人物がいて、主人公が桃郎で、姉の配役は鬼。
でも鬼のように怖い姉とかではなく、弟を大好きな、愛すべきお姉ちゃんです。
ただちょっとリアルに鬼っぽくて、怒ると角が生えてパワーアップしたりするだけで……。
数が少ない姉ラノベですが、この作品はひょっとしたら自分の求める姉ラノベそのものと言ってもいいかもです。
家族モノとしても普通に面白いし、、、
3巻出るかなあ
・「のうりん」(白鳥士郎)
これも2chまとめブログとかでちょっと話題になってましたが、面白いですねー。
パロディがきついなとは思うのですが、
(パロディ自体もだいたい分かるし笑えるんですけど、たまに素直に楽しめない)
農業を題材にしたライトノベルとしても面白いし、
すごく真摯にエンターテイメントしてるなーと。そんな勝手なイメージ。
応援したいです。
ちなみに今回特にライトノベルらしさとか考えずに“ラノベの社さんの本館で2011年1月刊〜2011年12月刊として扱われているもの”から選びました。
ブラッドスパート入れたかっただけという説もある。
次点
・「パーフェクトフレンド」(野崎まど)
・「シアター!2」(有川浩)
・「フルメタル・パニック! アナザー1」(大黒尚人 原案・監修:賀東招二)
・「Tとパンツとイイ話」(本村大志)
・「魔術師たちの言想遊戯 I」(一橋鶫)
・「“葵” ヒカルが地球にいたころ…… (1)」(野村美月)
・「六花の勇者」(山形石雄)
・「○×△べーす (1) ねっとりぐちゃぐちゃセルロイド」(月本一)
・「俺がヒロインを助けすぎて世界がリトル黙示録!?2」(なめこ印)
・「脱兎リベンジ」(秀章)
・「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。」(渡航)
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