2020/8/14
暑い日の夕刻、自宅マンションに帰り着いて、ほ。
自転車を停めようとして、
住民とすれ違い、挨拶する。
ハンドルが手からちょっと離れた。
自転車のバランスが崩れる。
あっと思った時には、
自転車は右側にガシャンと倒れていた。
うわぁ、ギアを壊したかも!
ノウ、、、
呻きながら自転車を調べると、
チェーンが外れたのは分かった。
けど、変速機が壊れていないかは僕には全く分からない。
これはプロに見てもらおう。
しおしおと自宅に上がり、
近隣の自転車店の評判をGoogleで調べた。
自宅から徒歩15分のところに、良さげな自転車店を発見。
今日はもう閉店している。
翌朝、自転車を連れていくことにした。
開店と同時に駆け込もう。
目覚めると快晴、猛暑日の予報。
すでにして暑い朝の空気の中、
日陰を渡りつつ、愛車を引いて自転車店に向かう。
ふだんは通勤で南の山側に走るのだが、
自転車店は自宅からみて西側にある。
店に向かう道は、風の通り道のようだった。
この道の先には大きな川がある。
風がごんごん吹いてきて、なんだか気持ち良かった。
これで自転車が壊れてなかったら最高なんだけどなぁ。
いい歳だけど、
初めての店に行くのは、なんか不安だ。
一見さんに冷たい店も数あると聞いている。
でも、転勤してると、そんなこと言っていられない。
不安だよ、でも戦うんだ、そして自分に勝つのだ。
戦いなくして成長なし。
自転車店に行くだけなのに、話がおおげさになった。
遠目にも自転車店はすぐ分かった。
歩道を侵食するように、店先に自転車が並んでいる。
ちょうど先客が自転車を引き取りに来ていた。
ごめんね、ちょっと待ってね、と
店主らしき男性が僕に言う。
先客まで、ごめんね、と僕に謝る。
なんかいい人たちみたい。
自転車を倒してしまった、と説明すると、
店主はちょちょいとチェーンをかけ直し、
変速機の調子を見て、異常がないことを確かめてくれた。
大丈夫、直すとこはないよ。
ありがとう!
どこの街も、きっといい街。
自転車に乗って、走り出す。

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2020/3/11
復興にこんなに進まないものだとは、思いませんでした。
被災された皆さま、
悲しみが癒えることはないかもしれません。
それでもどうか光の差す方へ。
どうぞお体に気を付けてください。
亡くなられた方々のご冥福を心よりお祈り申し上げます。

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