2008/2/26

寄り回り波、というのがあるらしい。
24日、富山県西部の沿岸で高波が発生した。
波は浅瀬をせり上がって堤防を越え、
濁流となって住宅地に押し寄せた。
映像で見ると、津波のようにも見える。
連日、被災地の状況がテレビで流されている。
災害の原因は寄り回り波だろう、と学者が言っていた。
初めて聞く波の名前だ。
海で何かあったらしい、と嫌な感じはしていた。
日曜日の午前中、ヘリが海の方へ飛んでいったのだ。
胸がざわざわした。
沿岸に住んでいた頃に教えられた。
冬のヘリコプターはいい報せは運ばない。
あれは海難救助じゃないだろうか。
以前住んでいたアパートは、海の目の前だった。
窓から毎日、灰色の海を眺める。
砂浜とアパートを隔てるのはブロック壁1枚。
堤防はなかった。
住み始めた頃は、こんな海に近くて安全なんだろうか、
と思っていた。
周囲には古い家が軒を連ねる。
もともとは漁師町なのだろう、妙に朝が早い町だった。
古い町の中には、津波の避難場所があったが、
その場所は
僕らの住むアパートより、むしろ海側だった。
津波の警報が出た時、
海に向かって走るなんて、と思った記憶がある。
アパートは古くとも鉄筋コンクリートで最上階。
ここに留まるか、むしろ車を出して山を目指すか、
どちらかの方がいいような気がした。
海岸を離れてから、そんな心配は忘れていた。
今回の被害は津波ではないけれど。
悪天候の中、
復旧に努める人々の姿をテレビで見る。
とても他人事とは思えない。
亡くなられた方々のご冥福と、
今後の町の復興を心からお祈りします。

0
コメントは新しいものから表示されます。
コメント本文中とURL欄にURLを記入すると、自動的にリンクされます。